慶應義塾體育會剣道部

慶應義塾體育會剣道部

慶應義塾體育會剣道部は、慶應義塾大学の体育会に所属する剣道部です。その歴史は明治11年（1878年）にまで遡り、日本最古の剣道部として知られています。慶應義塾体育会の中でも柔道部に次ぐ長い歴史を誇り、多くの剣道家を輩出してきました。関東学生剣道連盟に所属し、大学剣道界でも屈指の名門として知られています。

概要

創部以来、140年以上の歴史の中で、数々の輝かしい実績を残してきました。団体戦では過去に5回、個人戦では2回の全国制覇を成し遂げています。また、剣道部出身者の中には、政治や経済の分野で活躍する著名人も多く、橋本龍太郎元総理大臣やその息子の橋本岳衆議院議員、山本泰人東京都中央区長などがいます。

また、池井戸潤氏の小説「オレたちバブル入行組」を原作とするドラマ「半沢直樹」の主人公、半沢直樹も慶應義塾體育會剣道部出身という設定になっています。これは、剣道部が社会に与える影響の大きさを物語るエピソードと言えるでしょう。

卒業生には、全日本剣道選手権で優勝した最後の会社員剣士である戸田忠男氏がいます。彼の活躍は、剣道部にとって大きな誇りとなっています。

歴史

剣道部の歴史は、明治時代初期に塾生たちが紀州藩士を招いて剣術を学んだことに始まります。

明治8-9年: 塾生の有志が集まり、紀州藩士に剣道を学ぶ。
明治11年: 三田山上に剣道場が完成し、剣道部が創立される。
明治25年: 慶應義塾体育会が創立される。
明治37年: 剣道場が綱町に移転。
大正14年: 早慶対抗剣道試合が開催される。
昭和10年: 日吉剣道場が完成。全日本大学高専剣道優勝大会で優勝。
昭和13年: 全日本大学高専剣道優勝大会で優勝。
昭和14年: 全日本大学高専剣道優勝大会で二連覇を達成。
昭和20年: 終戦後、学内での武道が禁止される。
昭和28年: 学内武道が解禁される。
昭和36年: 全日本学生剣道優勝大会で優勝。
昭和37年: 卒業生の戸田忠男が全日本剣道選手権で優勝。
昭和39年: 戸田忠男が全日本選手権で二度目の優勝を果たす。
昭和42年: 近藤重助が全日本学生剣道選手権大会で優勝。
昭和48年: 全日本学生剣道優勝大会で優勝。
昭和50年: 町吉幸が全日本学生剣道選手権大会で優勝。
昭和53年: 創部100周年記念式典が開催される。

このように、剣道部は時代の変化と共に、幾多の困難を乗り越え、常に剣道界をリードする存在であり続けてきました。

練習施設

現在、剣道部は以下の2つの道場を拠点に活動しています。

日吉剣道場: 神奈川県横浜市港北区日吉4丁目1-1 慶應義塾大学日吉キャンパス柔剣道場2階
綱町道場: 東京都港区三田2丁目19-10 慶應義塾綱町グラウンド綱町武道館1階

歴代師範

剣道部の歴史を支えてきた歴代の師範は以下の通りです。

明治15年: 梅沢清作
明治27年: 根岸信五郎、根岸資信
明治44年: 新貝忠篤（名誉師範）
大正5年: 佐藤義遵、上田潔、橋本統陽
大正8年: 鶴田三雄
大正9年: 藤原又蔵
大正12年: 岸川辰次
大正14年: 北島辰一郎
昭和6年: 持田盛二、北島辰二
昭和12年: 中野八十二
昭和47年: 福本修二
平成2年: 佐藤博信、加藤浩二
平成XX年: 谷勝彦

三田剣友会

卒業生は、OB組織である三田剣友会に所属し、現役部員の活動を支援しています。平成29年時点での会員数は1,039人。しかし、平成29年には、会費の着服事件が発生し、元事務局長が逮捕されるという不祥事も起きています。

早慶対抗剣道試合

大正14年より毎日新聞社主催で開催されている早稲田大学との剣道試合、通称「慶早戦」も剣道部の歴史を語る上で欠かせない要素です。両校の代表選手20名による団体戦で、勝ち抜き戦と対勝負が毎年交互に行われています。試合時間は5分で引き分けなし、延長戦は決着がつくまで時間無制限で行われます。過去には、男子大将戦で1時間44分にも及ぶ激闘が繰り広げられ、これは非公式な記録ではあるものの、剣道の最長試合時間として知られています。また、昭和58年からは、女子7名対勝負の早慶対抗女子剣道試合も開催されるようになりました。

脚注

注釈

出典

関連項目

吉田泰将

外部リンク

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