持田盛二

持田盛二の概要

持田盛二（もちだ もりじ、1885年1月26日 - 1974年2月9日）は、日本を代表する剣道家であり、剣道の段位では範士十段を取得したことで知られています。「昭和の剣聖」と称される彼の人生と業績は、多くの剣道ファンに感銘を与え続けています。

生い立ち

盛二のルーツは戦国時代の武士に遡ります。その先祖の持田監物は、上泉信綱らと共に戦国時代の箕輪城の主、長野業正に仕官していました。盛二の父、持田善作もまた剣法の達人であり、法神流剣法の第4代継承者でありました。父から厳しい指導を受けた盛二は、17歳で上京し、剣道の短期修行に励みました。

武術教員養成所での成長

持田は大日本武徳会群馬支部の設立と同時に入門し、武術教員養成所に第1期生として入所しました。そこでの訓練は厳しく、基本動作や切り返し、突き技の修行など、体力的にも精神的にも大きな成長を遂げました。同所では堀正平、大島治喜太と並ぶ「三勇士」として他の生徒からも一目置かれる存在となっていました。

天覧試合における成功

26歳で精錬証を取得し、その後も昇進を続け、34歳で教士、そして42歳で範士となりました。持田はその後、京都府警察や千葉県警察、さらには東京高等師範学校講師などを歴任しました。1929年には天覧試合に出場し、決勝で高野茂義を破り優勝。この勝利は全国に彼の名を広めるきっかけとなりました。

剣道十段への昇格

1957年、持田は全日本剣道連盟から剣道十段の称号を与えられました。彼はこの名誉を固辞しようとしましたが、連盟の強い要望により受け取ることを決意しました。また、1964年の東京オリンピックでは、剣道形のデモンストレーション演武を行ったことも、彼の剣道への貢献の一環です。

人柄と晩年

持田はその人柄からも多くの人々に愛されていました。質素な生活を送りながら、目下の者に対しても敬意を持って接し、常に丁寧な言葉遣いを心掛けていました。その座右の銘は「剣徳正世」であり、剣道における精神性を大切にしていたことが伺えます。80歳を過ぎてもなお現役選手として稽古を続けており、彼の強さは衰えることがありませんでした。

遺したもの

持田は、剣道において50歳から本格的に修行を始め、心の成長にも重きを置いていました。その教えは後世に残り、剣道の精神的側面を理解する上で貴重な示唆となっています。彼は1974年に89歳で逝去しましたが、剣道界での功績は今なお多くの人に影響を与えています。彼の名は剣道殿堂に顕彰され、永遠に剣道界の歴史の中で語り継がれることでしょう。

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