憨山徳清

憨山徳清（かんざん とくせい）

憨山徳清（1546年11月5日 - 1623年1月15日）は、中国明代を代表する高僧の一人です。俗姓は蔡氏、字は澄印、号は憨山、法号は徳清。弘覚禅師とも称されます。南直隷滁州全椒県（現在の安徽省滁州市全椒県）の出身で、明代の四大高僧（雲棲祩宏・紫柏真可・憨山徳清・蕅益智旭）に数えられ、臨済宗を伝承しました。

生涯

19歳の時、棲霞山の雲谷法会に参列し、「中峰広録」を読んだことがきっかけで禅の道に進むことを決意。報恩寺に戻り出家しました。紫柏真可とは手紙での交流から親交を深め、実際に会ってからは一晩語り明かし、生涯にわたる友情を育みました。

しかし、その後朝廷の政争に巻き込まれ、投獄、雷州（現在の広東省雷州市）などへの流罪という苦難を経験します。1606年に赦免されると、曹渓（現在の広東省韶関市曲江区）に戻り、南華寺の修復に尽力しました。その後、広州の長春庵で教義を広め、1613年には湖南省衡州酃湖の万聖寺に移り住み、「楞厳通議」「法華通議」「起信論略疏」などの著作を著しました。1616年以降は、九江の廬山に移り、「清涼疏鈔」から「華厳経綱要」八十巻を編纂しました。

1622年、南韶道観察使の祝以豳の招きに応じて再び曹渓へ赴きましたが、その地で入寂。78歳でした。現在、曹渓にある南華寺には、即身仏となった憨山徳清が祀られています。

思想

憨山徳清は、仏教・儒教・道教の三教に深く精通し、その融合を主張しました。仏教においては、禅と浄土の双方を重視し、共に修行することを提唱。禅宗の六祖である慧能大師の思想を継承し、禅宗の復興に尽力しました。

紫柏真可との交流も深く、共に明代仏教の改革に貢献しました。

影響

憨山徳清は、その思想と行動によって、明代仏教界に大きな影響を与えました。彼の著作は後世にまで読み継がれ、多くの人々に影響を与え続けています。また、南華寺に祀られている即身仏は、現在も多くの参拝者を集めています。

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