成城中学校・
高等学校は、
東京都新宿区原町に位置する私立の男子中高一貫校です。
1885年(
明治18年)に文武講習館として創立された、長い歴史と伝統を持つ学校です。当初は
陸軍士官学校や
陸軍幼年学校への予備校として、
軍人を志す若者たちを育成し、多くの高級
軍人を輩出してきました。
歴史
創立と初期
創立当初の学校は、
陸軍軍人志望者への予備教育を施す全寮制の学校でした。学校の届出書には「本校ハ
陸軍武学生徒入学ノ予備学科ヲ教授スル所トス」と記されており、1945年までは
陸軍士官学校への進学率が全国トップでした。
1886年に
成城学校と改称し、
中学校令の発布により旧制
中学校としての形態が整えられました。
教育の先駆け
成城学校は、日本の学校で初めて
臨海学校と
林間学校を開設しました。これらの伝統は現在も中学で受け継がれています。
陸軍とのつながりから、現役の
陸軍将校が教員として教鞭を執ることもありました。
校名の由来
「
成城」という名前は、中国の古典「
詩経」にある「哲夫
成城」という言葉に由来しています。「哲夫」とは知徳に優れた男子を指し、「
成城」は国を成すという意味を持っています。校章の三光星は「知・仁・勇」を表しており、知性、道徳心、勇気を兼ね備えた人材の育成を目指しています。
成城学園との関係
世田谷区にある
成城学園は、かつて
成城学校から分離独立した
学校法人です。
成城学園の起源は、
成城学校内に付設された
成城小学校にあります。したがって、
成城学園は
成城学校を母体としていますが、現在は別個の
学校法人です。
成城大学は
成城学園の大学であり、
成城高校は
成城大学の附属高校ではありません。
その他の特徴
成城学校は、日本体育会(現:日本体育大学)と創立者を同じくしており、学校間の関係はありませんが、創立者が亡くなった際には合同葬儀を実施しました。校舎敷地内には「日本体育会発祥之地」の記念碑が建立されています。
制服は男子校の伝統である金ボタン5個の黒学ラン(標準型
学生服)です。校内には、人工芝のグラウンド、温水プール、カフェテリアなどの施設があります。
沿革
学校行事
部活動
運動部
硬式野球(高校)、軟式野球(中学)、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、硬式テニス、山岳(高校)、卓球、柔道、剣道、陸上競技、体操、水泳、自転車競技(高校)、ラグビー(高校)、相撲など
文化部
科学、放送、美術、地理研究、演劇、写真、吹奏楽、
囲碁、合唱、鉄道研究、速記、ジャグリングなど
同好会
釣り、
将棋、
スキー、数学研究、古典ギター、歴史研究、文芸など
歴代校長
多くの著名な人物が校長を務めてきました。初代校長は日高藤吉郎です。その他、
陸軍大将の
児玉源太郎や文部
次官の
澤柳政太郎なども校長を務めました。
著名な出身者
- - 陸軍、海軍の軍人
- - 政治家、経済界のリーダー
- - 俳優、ミュージシャンなどの芸能人
- - アナウンサー、ジャーナリストなどのマスコミ関係者
- - 芸術家、文化人
- - その他、各界で活躍する人材
成城学園との関係
成城学園は、
成城学校から分離独立した
学校法人です。
成城学校内に付設された
成城小学校が、
成城学園の起源となります。
成城学園は、
小学校から大学までの一貫教育を行っており、
成城学校とは異なる教育理念を持っています。
成城学校入学事件
戦前、
成城学校では軍事を学ぶ目的で、清国や朝鮮からの留学生を積極的に受け入れていましたが、1903年、在籍していた全ての留学生が東京振武学校へ転校させられました。この一連の出来事は「
成城学校入学事件」と呼ばれています。
その他
- - かつて臨海学校用に和船を所有していましたが、現在はモーターボートを使用しています。
- - 終戦直後、GHQの査察を受け、一時廃校の危機に陥ったことがありました。
- - 戦前の校歌は、国防や皇室に関する内容が含まれていたため、戦後に削除されました。
- - 日本動画(現:東映アニメーション)は、設立当初、成城高校の空き校舎を借りて制作を行っていました。
- - 2023年10月25日、台湾の国立新竹高級中学と姉妹校締結を行いました。
アクセス
都営地下鉄大江戸線牛込柳町駅より徒歩1分
成城中学校・
高等学校は、長い歴史と伝統を持ちながら、常に新しい教育に挑戦し続けている学校です。卒業生は各界で活躍しており、社会に貢献できる人材を育成しています。