成基命

成基命（せい きめい、1559年 - 1635年）は、明朝末期の官僚であり、字（あざな）は靖之（せいし）。河北省大名府の出身です。

生涯

成基命は、その人柄が非常に親しみやすく、寛大な人物であったと伝えられています。万暦35年（1607年）には科挙に合格し、進士として官界入りを果たしました。その後、庶吉士（しょきつし）に任じられ、官僚としてのキャリアをスタートさせます。彼は着実に昇進し、司経局洗馬（しけいきょくせんば）、国子監司業（こくじかんしぎょう）といった要職を歴任しました。

天啓年間（1621年 - 1627年）に入ると、成基命はさらにその才能を発揮し、少詹事（しょうせんし）、礼部侍郎（れいぶじろう）といった重要な役職を歴任しました。彼は東林党（とうりんとう）のメンバーとして知られていましたが、その人柄から多くの人々に受け入れられていました。しかし、天啓6年（1626年）には、同僚であった楊漣（ようれん）のために非難を受け、職を辞して故郷に帰ることになりました。

その後、崇禎元年（1628年）になると、成基命は吏部左侍郎（りぶさじろう）として官界に復帰します。さらに崇禎3年（1630年）には、首輔（しゅほ）を加えられ、その地位を確立しました。しかし、多くの官僚が処罰されていた時代に、彼はこれらの官僚たちのために赦免を懇願したことが、崇禎帝の不興を買うことになりました。その結果、彼はわずか6ヶ月後には職を罷免され、再び故郷に帰ることになりました。

崇禎8年（1635年）、成基命は故郷にて生涯を終えました。

参考資料

『崇禎長編』（すうていちょうへん）
『明史』列伝第一百三十九（みんし れつでん だいひゃくさんじゅうきゅう）

成基命は、明末の混乱期において、その誠実さと寛容さで多くの人々に影響を与えた官僚でした。彼の生涯は、官僚としての成功と挫折、そしてその人間性を通して、当時の社会と政治の複雑さを映し出しています。

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