成川哲夫

成川哲夫（なりかわ てつお）は、1944年4月15日に生まれ、俳優として活動した後、空手道連盟の会長としても知られる人物です。東京都千代田区飯田橋出身で、法政大学第二高等学校を卒業し、その後法政大学経済学部に入学しましたが、卒業を果たせずに演技の道を選んでいきました。

成川の父親は不二家でフランス料理のコック長として働いており、彼の家庭環境は料理に対する深い理解を育むものでした。彼自身は小学4年生の時に狛江市に引っ越し、そこで青春を過ごしました。大学在学中に東映の演技研修所に入所し、昭和42年（1967年）には『悪魔くん』の第22話で俳優デビューを果たします。同年、彼は第8期東宝ニュータレントに選ばれ、以後数本の舞台に出演してキャリアを積んでいきましたが、1968年には『東京バイパス指令』でテレビに正式にデビューします。

彼は1969年に東宝を退社し、さち子プロに移籍。その中で彼の名は伍代勝也や伍代達弘と変わっていきました。そして1971年から放送が始まった特撮テレビ番組『宇宙猿人ゴリ』では、主役の蒲生譲二役を演じ、その名を広めました。この番組の人気は非常に高く、成川はその後のテレビドラマ『スペクトルマン』でもその名を轟かせました。

彼は1971年に同じ俳優仲間の関口昭子と結婚し、やがては家庭を持つことになります。その後、俳優としての活動を続けながら、1970年代の中頃にはもっぱら空手に専念する方向へと舵を切ります。1960年代から空手の師範として師事していた道場が分裂したことを受けて、1983年に国際空手道連盟玄制流成道会を設立しました。彼はその会長および師範として、多くの弟子を育てましたが、1991年には長男をオートバイ事故で失うという悲劇に直面します。その後、成川は道場を通じて子供たちに空手を教え続け、教えることに情熱を注いでいました。

彼の俳優活動は多岐にわたり、『柔道一直線』『噂の刑事トミーとマツ』など、テレビドラマに数多く出演しました。特に『スペクトルマン』の大平透は彼の礼儀正しさと清潔感を称賛しており、俳優仲間との交流も豊かだったようです。

成川は65歳で肺がんにより2010年1月1日に亡くなりましたが、彼の俳優としての功績と空手道への情熱は、今もなお多くの人々の心に残っています。当時の映像や著作を通じて、その存在は生き続けているのです。

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