成粛皇后

成粛皇后（せいしゅくこうごう）

成粛皇后は、南宋の孝宗の皇后です。姓は謝氏。

生涯

鎮江府丹陽県（現在の江蘇省鎮江市丹陽市）の出身。幼くして実父の謝寧を亡くし、翟氏の養女となりました。その後、後宮に入り、高宗の皇后呉氏の侍女として仕えました。

紹興31年（1161年）、建王趙伯琮（後の孝宗）に側室として与えられ、咸安郡夫人に封ぜられました。孝宗が即位すると、婉容に封ぜられ、隆興2年（1164年）には貴妃に上りました。質素ながらも細やかな気配りのできる性格で、夏皇后と死別した孝宗に誠実に仕えました。淳熙3年（1176年）8月、太上皇（高宗）の推薦により皇后に冊立され、元の姓である謝氏に戻りました。

淳熙16年（1189年）2月、孝宗は子の光宗に譲位し太上皇となりました。紹熙元年（1190年）正月、謝氏は寿成皇后と呼ばれるようになりました。慶元元年（1195年）11月には、寿成恵慈皇太后と加号されました。慶元6年（1200年）8月には寿成恵慈太皇太后となり、嘉泰2年（1202年）10月には寿成恵聖慈祐太皇太后とさらに加号されました。

開禧3年5月16日（1207年6月13日）、寿慈殿にて崩御。「成粛」と諡（おくりな）され、孝宗の永阜陵に合葬されました。

人物

成粛皇后は、質素で誠実な人柄であったと伝えられています。高宗の皇后呉氏の侍女から、孝宗の皇后にまで上り詰めたことからも、その人となりが窺えます。孝宗は彼女を深く信頼し、公私にわたり相談することも多かったようです。

脚注

伝記資料

『宋史』巻243 后妃伝下 成粛謝皇后伝
『宋会要輯稿』巻12 后妃一 成粛謝皇后

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