戴戡

戴戡（たい かん）について

戴戡は清末から民初にかけて活躍した政治家であり、軍人です。彼は貴州省における立憲派の指導者として知られ、護国戦争では重要な役割を果たしました。もともとは桂齢という名で生まれ、後に戴戡と改名しました。彼の字は循若、号は錫九です。

学業と初期の経歴

戴戡は、日本で留学し、宏文書院で学びました。その後、梁啓超が東京で創設した政聞社に参加し、国際的な視野を広げることに努めました。1908年に帰国後、河南法政学堂で庶務を務めることになります。翌年の1909年には、雲南省の箇旧錫鉱の経理として就任し、辛亥革命前夜には雲南軍政府の都督であった蔡鍔の命で貴州へと戻り、塩務の責任を担いました。

辛亥革命と貴州省の内乱

辛亥革命が勃発した後、貴州省では内紛が発生しました。戴戡は立憲派および旧軍の支持を受け、混乱した状況に対抗しました。雲南の蔡鍔を訪ね、自派への支持を求めて説得を行い、さらに滇軍の唐継尭を貴州に呼び寄せ、貴州の革命派である新軍を排除することに成功しました。その結果、唐継尭が貴州州都の都督に就任すると、戴戡は都督府の左参賛に任命されました。以降、貴州実業司司長や黔中観察使などの要職を歴任します。1913年には貴州民政長、後の貴州巡按使にも就任し、進歩党にも加入して理事として活動しました。

護国戦争とその後の活躍

1915年、袁世凱が皇帝になることを企図した際、戴戡は梁啓超や蔡鍔、唐継尭らと共に袁を打倒するための動きに入ります。護国戦争を支持し、貴州の軍人たちを団結させ、独立を宣言させることにも成功しました。戴自身は、護国軍第1軍の第4梯団の指揮をとり、四川省への進撃を開始します。戦争は最終的に護国軍の勝利に終わり、戴戡の名声を高めました。

護国戦争が終結したあとは、四川の内戦に介入し、川軍と雲南軍との抗争の中心人物として名を馳せました。1917年4月には四川省長兼督軍として成都を掌握しましたが、北京政府の支援を受けた劉存厚の攻撃を受けて困難な状況に直面します。

戴戡の最期

戴戡は密かに成都を離れましたが、川軍の伏兵に囲まれ、仁寿県の秦皇寺で捕らえられてしまいました。彼は最終的に銃で自殺したと言われていますが、戦死説もあります。享年39歳という若さでの死は、彼の政治的活動に多くの影響を及ぼしました。彼の功績は今もなお語り継がれることがあります。

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