唐継尭

唐継尭（とう けいぎょう）

唐継尭は、清末から民初にかけて活躍した軍人であり政治家です。滇軍（雲南軍）の創始者として知られ、中華民国初期の雲南省を統治しました。その生涯は、激動の時代を反映したものでした。

生い立ちと清末の活動

1903年、唐継尭は清朝の秀才に合格しました。翌年には日本へ留学し、東京振武学校で軍事教育を受けました。留学中には孫文の中国同盟会に加わり、革命派学生の雑誌『雲南』の編集にも携わりました。1906年に東京振武学校を卒業後、1907年には陸軍士官学校に入学し、軍人としての基礎を築きました。

1909年に帰国すると、雲貴督練公所や雲南陸軍講武堂で教官を務め、新軍に入隊しました。新軍では、第19鎮正参謀官や第74標第1営管帯、雲南陸軍講武堂監督などを歴任しました。1911年、蔡鍔を招聘し、その指揮下で昆明で武昌起義に呼応して蜂起（昆明重九起義）し、軍政府で要職を担いました。

辛亥革命から護国戦争

1912年3月、唐継尭は滇軍を率いて貴州省に進出し、貴陽を占領しました。現地の支持を受け、貴州臨時都督に推薦され、同年5月には袁世凱の北京政府から正式に貴州都督に任命されました。1913年の第二革命では袁世凱を支持し、四川の熊克武率いる軍を攻撃しました。同年11月には雲南都督に就任し、1914年には開武将軍に任命されました。

1915年12月、袁世凱が帝位につくと、唐継尭は蔡鍔を迎え雲南の独立を宣言し、護国戦争が勃発。唐は護国軍第3軍総司令として討袁運動を指揮しました。袁世凱は皇帝即位を取り消し、失意のうちに病死。蔡鍔も同時期に亡くなりました。

護法運動と最初の失脚

袁世凱の死後、唐継尭は孫文の護法運動に参加し、雲南の指導者として南方政府の重鎮となりました。1917年9月、孫文が広州で護法軍政府を組織すると、唐は元帥に選出されましたが、孫文の下風に立つことを拒否しました。1918年5月、軍政府が改組されると総裁に就任し、靖国軍を組織して四川省などへの対外拡張を図りました。

しかし、桂軍が護法軍政府で主導権を握ると、唐継尭は孫文らと連携しました。1920年10月には、広東軍の陳炯明により岑春煊が引退に追い込まれ、桂軍は広東から駆逐されました。唐継尭は聯省自治運動と連動しつつ、雲南省の支配に留まらず、他の省への影響力拡大を図りましたが、1921年、顧品珍によるクーデタが起こり、香港へ逃走しました。

最後の失脚と死

1922年3月、唐継尭は竜雲らの支援を得て雲南へ帰還し、顧品珍を倒して復権しました。同年には東陸大学（現雲南大学）を創立しました。しかし、その後も他省への進攻を繰り返したため省財政を逼迫させました。孫文の死後、中国国民党の北伐には与せず、民治党を組織して独自勢力の維持に固執しました。1927年2月6日、竜雲、胡若愚らのクーデタにより失脚し、軟禁されました。

同年5月23日、唐継尭は昆明で病死しました。享年45歳。彼の墓は昆明市の円通動物園にあります。

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