戴秉国

戴秉国（たい へいこく）は、1941年3月31日生まれの中国の外交官であり、現在は曁南大学の理事長を務めています。彼は中国共産党中央委員会委員を第15期から第17期まで務め、国務院国務委員（外交担当）として中国外交の事実上のトップとして活躍しました。また、中共中央外事工作領導弁公室主任も務めるなど、中国共産党の要職を歴任しました。彼は少数民族であるトゥチャ族の出身です。

1964年に四川大学を卒業後、外交学院で学び、1965年に外交部に入部しました。1973年6月には中国共産党に入党しています。ソ連東欧局の局員、旧ソ連大使館員を経て、再びソ東欧局の局長を務めました。

1989年からハンガリー大使、1991年には銭其琛外交部長の下で部長助理（次官補）に就任しました。1994年から1995年まで外交部副部長を務めた後、1995年7月には中国共産党中央委員会対外聯絡部副部長に就任しました。1999年7月から2003年4月まで対外聯絡部長を務め、後任に王家瑞を譲り、外交部副部長に復帰しました。

2005年には、中国共産党中央委員会外事弁公室主任に就任し、同年から始まった日中総合政策対話では、日本の谷内正太郎外務次官（当時）と交渉を担当しました。特に5回目の会談では、自身の故郷である貴州省に谷内氏を招待するなど、友好的な関係を築きました。

また、2006年には、安倍晋三首相の初外遊である電撃的な訪中を、谷内氏と交渉し、その際にはサングラスで変装し「社長」という名で極秘来日するなど、舞台裏でも重要な役割を果たしました。

2008年3月17日の全国人民代表大会では、外交担当の国務委員（副首相級）に選出され、中国外交の中枢を担いました。2012年10月7日には、北京で台湾の謝長廷前行政院長と会談し、双方の関心事について意見交換を行いました。

2012年11月14日に開催された第18回党大会では、中央委員に選出されず、年齢制限により中央委員を退任しました。2013年3月には国務委員を退任し、同年11月には曁南大学の理事長に就任しました。

補足として、2010年12月には「中国共産党による統治を維持することは、国家の核心的利益」という論文を発表し、中国共産党の指導体制を擁護する姿勢を示しました。

戴秉国は、長年にわたり中国の外交政策に深く関与し、その手腕を発揮した人物として、中国内外で広く知られています。特に日中関係においては、様々な局面で重要な役割を果たし、両国間の関係構築に貢献しました。

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