戸島 (愛媛県)

戸島について

戸島（とじま）は、宇和島港の沖合に存在する有人島であり、三浦半島（蔣淵半島）からすぐの位置にあります。日振島は戸島の西側にあり、九州の方向に位置しています。1958年（昭和33年）までは、周辺の四つの村とともに戸島村を形成していましたが、現在は宇和島市の一部となっています。

歴史

戸島の歴史は古く、特にキリシタン大名として知られる一条兼定の伝説が特筆されています。1574年、彼は長宗我部氏との戦いに敗れこの島に逃れたと言われています。その後1585年にこの島で亡くなり、彼の墓地が島内の寺に存在しています。この墓地は市指定の史跡として守られています。

また、昭和20年代から30年代にかけては、島で大規模なネズミの発生が見られ、これが「ねずみ騒動」として広まりました。この騒動は、作家吉村昭の小説『海の鼠』の題材にもなっています。

産業

現在、戸島はハマチやブリの養殖が盛んな地域として知られています。戸島漁業協同組合は、特に「戸島の男ぶり」というブランド名で新鮮な魚を出荷しています。島全体は足摺宇和海国立公園の範囲内であるため、自然環境が保護されていることも特徴的です。

行政

戸島は宇和島市の行政区域に属しており、市の政策や施策が直接影響する地域です。

社会

戸島の人口は307人、世帯数は166世帯と、少数ですが活気のあるコミュニティが形成されています（平成27年国勢調査）。集落は主に本浦、小内浦、郡の三つに分かれています。また、地域医療のために宇和島市が運営する診療所があり、出張診療が行われています。

教育

教育面では、宇和島市立戸島小学校があり、地元の子どもたちの学びの場となっています。中学校については、島外の宇和島市立城南中学校に通う必要があり、寄宿スタイルの生活を余儀なくされます。2013年までは、島の中学校である宇和島市立宇和海中学校が存在していましたが、2014年度に閉校しました。

交通

交通アクセスは宇和島港からの高速艇が主な手段となっており、島民や観光客が利用しています。

自然

戸島は豊かな自然環境に恵まれており、少なくとも5種の野生哺乳類が確認されています。また、蚊類も6種が記録されています。これらの生物は島の生態系の一部として重要な役割を果たしています。

このように戸島は、その歴史的背景や自然、産業面で多様な魅力を持ち続けている島です。

もう一度検索