戸沢正諶

戸沢 正諶（とざわ まさのぶ）

戸沢正諶は、出羽新庄藩の第5代藩主で、享保7年（1722年）7月11日に生を受けました。彼は第3代藩主・戸沢正庸の四男として新庄で生まれ、料亭や側室の家系の一員でした。彼の人生は、家族の影響を受けつつも、藩主としての責任を果たす姿勢を貫いたものでした。

生い立ち

元文2年（1737年）、正諶が15歳の時、父の隠居により兄の正勝が家督を継ぎました。正勝は弟である正諶に7000石を分け与え、寄合衆に列せられました。このようにして彼は藩の政治に関与する機会を得ました。

延享2年（1745年）8月13日、正勝が養子を迎えた後、同年に兄が急死したため、正諶は家督を受け継ぎます。また、同年の10月18日には従五位下、上総介に叙任され、正式に藩主としての役割を果たし始めました。

藩政と課題

藩主となった後、正諶は藩政に勤しみましたが、宝暦5年（1755年）には大きな試練に直面します。積雪の影響により、藩全体で多くの被害が発生し、特に宝暦の飢饉として知られる災害が境をなしました。これに対処するため、正諶は幕府から3000石を借用し、再建のために資金を充てましたが、これは藩政が不適切であるとの理由から処罰を受ける要因となり、しばらく出仕を禁じられました。

死去と後継

正諶は明和2年（1765年）9月20日に亡くなり、享年は44または46でした。彼の死後、長男の正産が藩主として家督を継ぎました。正諶の生涯は多くの困難とともにあったものの、彼が築いた基盤が後の藩政に影響を与えたのは間違いありません。

家族と系譜

正諶は、父である戸沢正庸と、側室の円成院、養父の戸沢正勝を持ち、正室には柳沢吉里の娘がいます。また、彼には心涼院という側室もおり、彼との間に長男の正産と次男の正良を儲けました。さらに、彼の子女の一人は後に松平乗友の正室となり、政界における関わりを持つことになります。

関連項目

彼の在任時に、飢饉により多くの餓死者が出たことを受け、新庄まつりが開催されるようになりました。これは、領民に活気と希望をもたらすために行われた祭典であり、五穀豊穣を祈願する目的で新庄城内の天満宮で盛大に行われました。この祭りは、正諶の藩政を通じて地域社会に深く根付いたものであり、彼の名を後世に伝える重要な文化となっています。

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