戸田博之 (会計学者)

戸田博之の生涯と業績

戸田博之（とだ ひろし、1933年11月18日 - 2023年10月30日）は、日本を代表する会計学者であり、神戸学院大学の名誉教授として長年にわたり教育と研究に貢献しました。また、1990年代には日本簿記学会の会長としても活動し、会計学の発展に寄与しました。

人物・経歴

戸田氏は大阪府大阪市に生まれました。彼の学問の基礎は関西学院高等部時代に培われ、1952年に卒業後、1956年には関西学院大学の経済学部を卒業しました。学業の後、1961年には神戸大学の大学院経営学研究科に進学し、その博士課程の単位を取得したものの、生活のために大阪医薬相互販売に就職しました。

1964年からアカデミアの道を歩み始め、大阪府立大学の経済学部で専任講師として教鞭を執りました。1972年には京都産業大学に移動し、同大学では助教授を経て教授に昇進しました。1975年から1985年にかけては、京都産業大学の経営学部長として学内の運営にも携わりました。その後、神戸学院大学の経済学部にて教授として教鞭を執ることとなり、1989年には神戸大学から経営学博士の学位を取得しました。

2002年から2004年にかけては日本簿記学会の会長を務め、日本の会計学の発展に尽力しました。2004年には神戸学院大学の客員教授に就任し、2005年には福山大学の教授として新たな挑戦を始めました。その後、名誉教授の称号を受け、さらに日本簿記学会の顧問として会計学の研究を続けました。

戸田氏の教育者としての姿勢は多くの学生に影響を与え、彼の指導を受けた多くの学生が会計士や税理士として活躍しています。

著書

戸田氏は優れた研究者であっただけでなく、多くの著書を執筆し、会計学分野の発展に寄与しました。彼の代表的な著作には以下のようなものがあります。

• - 『新稿企業簿記 : 原理と演習』（1980年、中央経済社）：企業会計の基礎を学ぶための重要なテキストとして広く使用されています。
• - 『収支的簿記体系の研究』（1988年、千倉書房）：簿記の基本的構造を理解するための研究書です。
• - 『ディナミッシェ・ビランツの一研究 : その主たる批判論の吟味』（1994年、日本評論社）：ドイツ系会計学に関する深い分析を行っています。
• - 『簿記・会計学の原理 : ドイツ系会計学の源流を探る』（2005年、安平昭二との共編著、東京経済情報出版）：ドイツの会計学の影響を探る重要な文献です。
• - 『20世紀におけるわが国会計学研究の軌跡』（2005年、興津裕康、中野常男との共編著、白桃書房）：日本における会計学の発展を振り返る貴重な書籍です。

戸田博之氏は、学問の発展に寄与するだけでなく、教育者としても大きな影響を与えた存在です。彼の業績は、会計学を学ぶ人々にとって今後も大いに役立つことでしょう。

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