戸田弥生
戸田弥生（とだ やよい）は、1968年3月23日に福井県福井市に生まれた日本のヴァイオリニストです。国内外のコンクールで優れた成績を収め、国際的な舞台で活躍すると同時に、現在はフェリス女学院大学音楽学部教授として後進の育成にも力を注いでいます。
ヴァイオリンとの出会いは4歳でした。地元福井市で基礎を築き、六条小学校、足羽第一中学校に通う傍ら、ヴァイオリンの研鑽を積みます。1983年には単身で上京し、ヴァイオリニストの堀米ゆず子氏の自宅に下宿しながら、桐朋女子高等学校音楽科で学びました。ここでは、著名なヴァイオリン教育者である江藤俊哉氏に師事し、才能を大きく開花させます。高校卒業後、1986年に桐朋学園大学に進学し、専門教育を深めました。
大学で学んだ後、戸田弥生はさらなる成長を求め欧米へと留学します。1992年、オランダのアムステルダムにあるスウェーリンク音楽院に入学し、ヘルマン・クレバース氏に師事。このオランダ滞在中の1995年には、作曲家トリスタン・ケウリスからヴァイオリン協奏曲第2番を献呈され、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演で初演を行い、現代音楽への取り組みも示しました。1996年には、ニューヨークのジュリアード音楽院から「ディレイ・スカラーシップ」を受け、伝説的なヴァイオリニスト兼教育者であるドロシー・ディレイ氏のもとで約1年間学びました。同年、若手演奏家の登竜門であるヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで優勝し、国際的なキャリアへの足がかりを掴みます。翌1997年にはニューヨークでリサイタルを開催し、成功裏にニューヨークデビューを飾りました。
欧米での学びを経て、戸田弥生は日本とアムステルダムを活動拠点として、精力的な演奏活動を展開します。1999年には、ミラノでのアレクサンドル・ラビノヴィッチ・バラコフスキーのヴァイオリン協奏曲初演や、日本フィルハーモニー交響楽団のオランダツアーへのソリストとしての参加（ブラームス二重協奏曲）、ニューヨーク・カーネギー・リサイタルホールでの室内楽リサイタルなど、多方面で活躍しました。2000年にはハーグ・レジデンティ管弦楽団と共演し、オランダや日本での演奏会を実現しました。この頃、小野グループより1694年製のアントニオ・ストラディヴァリウス「スギチェリ」が貸与され、名器の響きと共に演奏の幅を広げました。2001年以降は、ふくしま国際音楽祭に毎年招かれてリサイタルを行うなど、国内での活動も活発化。マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団のアジアツアーへのソリスト参加や、フランク・ブラレイ、アブデル・ラーマン・エル＝バシャといった名ピアニストたちとのリサイタル共演も重ねました。私生活では、2003年に長男、2005年に長女を出産し、二児の母となりました。2005年には、エリザベート王妃国際音楽コンクールと日本音楽コンクールでヴァイオリン部門の審査員を務めるなど、次世代の才能を見出す役割も担いました。同時期にストラディヴァリウスの貸与期間が満了し、その後は上野製薬から1740年製のピエトロ・グァルネリが貸与され、新たな楽器と共に演奏活動を続けています。
戸田弥生は、演奏活動と並行して音楽教育にも深く関わっています。2006年から2010年にかけて同志社女子大学音楽学部で、2008年から2009年にかけて京都市立芸術大学音楽学部で非常勤講師を務めました。2013年からは母校である桐朋学園大学音楽学部のヴァイオリン科で非常勤講師を務めるなど、若い音楽家たちの指導にあたっています。現在はフェリス女学院大学音楽学部教授として、後進の育成に情熱を注いでいます。
その才能と努力は、多くのコンクールで高く評価されてきました。
1979年 - 第33回全日本学生音楽コンクール全国大会小学生の部 第1位
1985年 - 第54回日本音楽コンクール 第1位
1986年 - 日本国際音楽コンクール 第3位
1988年 - 第1回淡路島国際室内楽コンクールプロ部門 第1位
1988年 - モントリオール国際コンクール 第6位
1993年 - エリザベート王妃国際音楽コンクール 第1位
1994年 - 第4回出光音楽賞
1996年 - ヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディション 優勝
これまでに発表された主なアルバムには以下のものがあります。
『エリザベート・コンクールの戸田弥生』（1993年）
シベリウス：ヴァイオリン協奏曲、スウェルツ：黄道十二宮～ヴァイオリンと管弦楽のためのエフェメリス（1992）
ヤナーチェク：ヴァイオリン・ソナタ
『トリスタン・コイリス作品集』（1996年）
コイリス：ヴァイオリン協奏曲第2番
『エネスコ＆バッハ』（2000年、音楽の友社）
エネスコ：ヴァイオリン・ソナタ第3番「ルーマニアの民俗様式で」 ほか
『バッハ：無伴奏ヴァイオリン・ソナタ＆パルティータ（全曲）』（2002年，音楽の友社）
『イザイ：無伴奏ヴァイオリン・ソナタ（全曲）』（2004年、エクストン）
『子供の夢』（2006年、オクタヴィア）
* ドビュッシー、フォーレ、ラヴェル、クライスラー他による小品集
戸田弥生は、その卓越した技術と豊かな表現力で聴衆を魅了し続けるヴァイオリニストであり、同時に教育者として次世代の育成にも貢献しています。国内外でのさらなる活躍が期待されています。
幼少期から国内での学び
ヴァイオリンとの出会いは4歳でした。地元福井市で基礎を築き、六条小学校、足羽第一中学校に通う傍ら、ヴァイオリンの研鑽を積みます。1983年には単身で上京し、ヴァイオリニストの堀米ゆず子氏の自宅に下宿しながら、桐朋女子高等学校音楽科で学びました。ここでは、著名なヴァイオリン教育者である江藤俊哉氏に師事し、才能を大きく開花させます。高校卒業後、1986年に桐朋学園大学に進学し、専門教育を深めました。
欧米での飛躍
大学で学んだ後、戸田弥生はさらなる成長を求め欧米へと留学します。1992年、オランダのアムステルダムにあるスウェーリンク音楽院に入学し、ヘルマン・クレバース氏に師事。このオランダ滞在中の1995年には、作曲家トリスタン・ケウリスからヴァイオリン協奏曲第2番を献呈され、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演で初演を行い、現代音楽への取り組みも示しました。1996年には、ニューヨークのジュリアード音楽院から「ディレイ・スカラーシップ」を受け、伝説的なヴァイオリニスト兼教育者であるドロシー・ディレイ氏のもとで約1年間学びました。同年、若手演奏家の登竜門であるヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで優勝し、国際的なキャリアへの足がかりを掴みます。翌1997年にはニューヨークでリサイタルを開催し、成功裏にニューヨークデビューを飾りました。
国際的な演奏活動と新たな経験
欧米での学びを経て、戸田弥生は日本とアムステルダムを活動拠点として、精力的な演奏活動を展開します。1999年には、ミラノでのアレクサンドル・ラビノヴィッチ・バラコフスキーのヴァイオリン協奏曲初演や、日本フィルハーモニー交響楽団のオランダツアーへのソリストとしての参加（ブラームス二重協奏曲）、ニューヨーク・カーネギー・リサイタルホールでの室内楽リサイタルなど、多方面で活躍しました。2000年にはハーグ・レジデンティ管弦楽団と共演し、オランダや日本での演奏会を実現しました。この頃、小野グループより1694年製のアントニオ・ストラディヴァリウス「スギチェリ」が貸与され、名器の響きと共に演奏の幅を広げました。2001年以降は、ふくしま国際音楽祭に毎年招かれてリサイタルを行うなど、国内での活動も活発化。マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団のアジアツアーへのソリスト参加や、フランク・ブラレイ、アブデル・ラーマン・エル＝バシャといった名ピアニストたちとのリサイタル共演も重ねました。私生活では、2003年に長男、2005年に長女を出産し、二児の母となりました。2005年には、エリザベート王妃国際音楽コンクールと日本音楽コンクールでヴァイオリン部門の審査員を務めるなど、次世代の才能を見出す役割も担いました。同時期にストラディヴァリウスの貸与期間が満了し、その後は上野製薬から1740年製のピエトロ・グァルネリが貸与され、新たな楽器と共に演奏活動を続けています。
教育者としての貢献
戸田弥生は、演奏活動と並行して音楽教育にも深く関わっています。2006年から2010年にかけて同志社女子大学音楽学部で、2008年から2009年にかけて京都市立芸術大学音楽学部で非常勤講師を務めました。2013年からは母校である桐朋学園大学音楽学部のヴァイオリン科で非常勤講師を務めるなど、若い音楽家たちの指導にあたっています。現在はフェリス女学院大学音楽学部教授として、後進の育成に情熱を注いでいます。
主な受賞歴
その才能と努力は、多くのコンクールで高く評価されてきました。
1979年 - 第33回全日本学生音楽コンクール全国大会小学生の部 第1位
1985年 - 第54回日本音楽コンクール 第1位
1986年 - 日本国際音楽コンクール 第3位
1988年 - 第1回淡路島国際室内楽コンクールプロ部門 第1位
1988年 - モントリオール国際コンクール 第6位
1993年 - エリザベート王妃国際音楽コンクール 第1位
1994年 - 第4回出光音楽賞
1996年 - ヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディション 優勝
主なアルバム
これまでに発表された主なアルバムには以下のものがあります。
『エリザベート・コンクールの戸田弥生』（1993年）
シベリウス：ヴァイオリン協奏曲、スウェルツ：黄道十二宮～ヴァイオリンと管弦楽のためのエフェメリス（1992）
ヤナーチェク：ヴァイオリン・ソナタ
『トリスタン・コイリス作品集』（1996年）
コイリス：ヴァイオリン協奏曲第2番
『エネスコ＆バッハ』（2000年、音楽の友社）
エネスコ：ヴァイオリン・ソナタ第3番「ルーマニアの民俗様式で」 ほか
『バッハ：無伴奏ヴァイオリン・ソナタ＆パルティータ（全曲）』（2002年，音楽の友社）
『イザイ：無伴奏ヴァイオリン・ソナタ（全曲）』（2004年、エクストン）
『子供の夢』（2006年、オクタヴィア）
* ドビュッシー、フォーレ、ラヴェル、クライスラー他による小品集
戸田弥生は、その卓越した技術と豊かな表現力で聴衆を魅了し続けるヴァイオリニストであり、同時に教育者として次世代の育成にも貢献しています。国内外でのさらなる活躍が期待されています。
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