手刀打ち

手刀打ち（しゅとううち/てがたなうち）

手刀打ちは、柔術、柔道、空手そしてプロレスなど様々な武道で利用される打撃技です。これらの技術は、相手に対して開掌の形で手の小指側を用いて攻撃を行います。この動作は、まるで刃物で切りつけるかのような感覚であり、敵の急所を狙うのに非常に適しています。特に顎、頸部、こめかみなどへの攻撃がしやすい点が特徴です。

基本的な打撃技

手刀打ちは主に以下のように分類されます。

• - 手刀打ち（しゅとううち）：小指側の側面で相手に打ちつける。
• - 背刀打ち（はいとううち）：手刀の親指側で打ち返すこと。
• - 掌底打ち（しょうていうち）：手のひらの付け根で打つ技。手刀打ちと区別されます。
• - 貫手（ぬきて）：指をそろえて突く技。空手では独自の技法として扱われます。

運動方向による区別

空手においては、手刀打ちは上から打ち下ろす動作や横から打ちつけることが一般的とされています。また、特定の流派では手刀の独特な使い方が研究されており、試合や実戦における応用が広がっています。例えば、極真会館系では、カウンター技として相手の鎖骨部を狙う手刀打ちがあります。

手刀打ちの利点と欠点

手刀打ちにはいくつかの利点と欠点があります。まず利点として、突き技とは異なり、斬り付けの軌道での攻撃が可能であり、受け技としても多様に使えます。また、打った後に相手の道着や腕を掴んで投げ技などに繋げる応用力も持っています。しかし欠点としては、通常の拳による突きに比べると威力が劣ります。技を誤った場合には、自分自身を傷めてしまうリスクも高いです。

武道における手刀打ちの位置づけ

古流柔術においても手刀は重要な技術として認識されています。この技は1532年に成立した竹内流にも見られ、非常に古い技術の一部として伝承されています。柔術や柔道の競技体系においても、手刀打ちは技ありとして認められる場面があります。

空手での使用

空手では、手刀技は多くの場合受け技として使われることが多く、対戦中においてはあまり使用されることは少ないですが、演武や護身の際には有効です。フルコンタクト空手では、打撃力に優れる正拳の方がより一般的に選ばれますが、手刀技も存在を消すことはありません。

プロレスにおけるチョップ

手刀打ちは、プロレスにおいてチョップとされて用いられることが多いです。例えば、力道山がこの技を用いて多くのファンを魅了し、そのスタイルは今日まで影響を及ぼしています。プロレスの試合では、様々なバリエーションのチョップが用いられ、観客を楽しませています。チョップの一例として、袈裟斬りチョップや逆水平チョップがあり、これらは特に武道の技を基にした攻撃として知られています。

まとめると、手刀打ちは多岐にわたる武道や格闘技においてその形を変えながらも存在し続け、その適用方法や技術において多くの研究がなされています。手刀の技術は、単なる打撃技としての枠を超え、戦術面と実戦の要素を兼ね備えた深い内容を持つ技であり、その使用方法をマスターすることは武道を学ぶ上で非常に重要な要素となります。

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