手柄山温室植物園

姫路市立手柄山温室植物園

姫路市立手柄山温室植物園は、兵庫県姫路市の手柄山中央公園内にある植物園です。1980年5月2日に開園し、以来、市民の憩いの場として、また植物に関する知識を深める場として親しまれてきました。

施設

園内には、様々な植物が栽培・展示されており、以下のような施設があります。

大温室: 熱帯や亜熱帯の植物が生育しており、一年を通して様々な植物を観察することができます。
小温室: 比較的小さな植物や、特定の環境を好む植物が展示されています。
エントランス・レンガ広場: 植物園の入り口に位置し、レンガ造りの広場が来園者を迎えます。
ロックガーデン: 岩場に生息する植物が展示され、自然の風景を再現しています。
ハーブ園: 様々なハーブが栽培されており、香りを楽しむことができます。
花壇: 季節ごとに様々な花が咲き、来園者の目を楽しませます。
デッキテラス: 休憩や植物観察に利用できるテラスがあります。
レストハウス: 軽食や飲み物を楽しむことができる休憩施設です。
サギソウ栽培温室: 絶滅危惧種であるサギソウの保護・栽培が行われています。

移転計画

現在、姫路市ではキャスティ21計画と手柄山再開発計画が進められており、それに伴い、手柄山温室植物園は緑の相談所と機能を統合し、文化センター跡地に移転される予定です。これにより、植物に関する情報提供や相談機能が強化され、より充実した施設となることが期待されています。

“新種”手柄ザクラ

手柄山温室植物園のある手柄山中央公園では、1996年3月に、植物学者の室井綽氏によって、花弁数が10枚で二重咲きのカスミザクラが発見されました。室井氏はこれをフタエカスミザクラと命名しましたが、その後、所在不明となっていました。しかし、2015年4月頃に当園の職員によって再発見されました。

カスミザクラには、半八重咲きのハンヤエカスミザクラという品種がありますが、手柄ザクラはそれとは異なり、雄蕊が花弁化した旗弁を持たず、真の花弁が多いこと、花弁の先端の切れ込みが少ないこと、雌蕊が雄蕊より長いことなどが特徴です。これらの特徴から、姫路市は2020年1月に日本花の会に新種認定を申請し、2021年5月13日に新種のサクラ「手柄ザクラ」として認定されました。

手柄ザクラは、カスミザクラの新品種であり、新種ではありません。カスミザクラの学名であるCerasus leveilleanaを基に、新たな園芸品種として位置づけられています。21世紀以降に発見された真の新種としては、クマノザクラが挙げられます。

栄誉

2024年には、手柄山温室植物園の研究員が、絶滅危惧植物の保全や栽培研究、希少植物の展示と教育普及活動への貢献が認められ、日本植物園協会の最高賞である「木村賞」を受賞しました。これは、植物園の活動が社会的に高く評価された証と言えるでしょう。

利用情報

当園は、ひょうごっ子ココロンカード、どんぐりカード、姫路市高齢者福祉優待カードの対象施設となっており、対象者はカードを提示することで無料で入場できます。

関連情報

日本の植物園一覧
姫路市まちづくり振興機構 - 姫路市立手柄山温室植物園
手柄山温室植物園ブログ - 山の上から花だより

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