抗日戦争第5戦区

抗日戦争第5戦区の概要

抗日戦争第5戦区は、1937年の盧溝橋事件を契機に中華民国国民政府によって設立された、対日本軍作戦の戦争状況に応じた地域分割の一環です。この戦区は初めて設定されたときは、主に山東省南部と江蘇省北部を含んでいました。また、第2次上海事変が発生し、この地域は非常に激しい戦闘の舞台となりました。戦局の変化に応じて、この戦区は1938年から1944年にかけて何度か大きく境界が再編成されました。

1937年の状況

日本兵が北平（現在の北京）や天津をすぐに占拠したことを受けて、中国と日本の間の和平が難しいことが明らかとなったため、国民政府は1937年8月に抗日戦争戦区を再編しました。第5戦区の設立時の指揮官は蔣介石で、彼はこの戦区に対する全体的な軍指揮を担当しました。また、彼は第3集団軍（韓復榘）と第5集団軍（顧祝同）も指揮しました。

1938年の再編

1938年になると、戦区の指揮官は李宗仁に交代します。作戦区域は天津から南京浦口に広がり、天津-浦口間の鉄道路線沿いでの戦闘となりました。この年には、第3集団軍の于学忠をはじめ、合計で27個の歩兵師団が展開され、戦力が大いに強化されました。また、特種部隊は含まれず、主力部隊の充実が図られました。

1939年の活動

1939年にも再び指揮官は李宗仁が務め、作戦地域は安徽省西部、湖北省北部及び河南省にまで拡大しました。この年は、やはり軍団が複数展開し、26個の歩兵師団と騎兵師団が戦闘に投入されました。特に豫鄂皖辺区遊撃総司令に廖磊が就任し、効果的なゲリラ戦が展開されました。

1944年から1945年まで

1944年、再び李宗仁が指揮官となり、戦局の厳しさに応じて兵力を再編しました。また、この時期には特種部隊の編成も行われ、より効果的な戦闘を行うための準備が進められました。1945年における受降区としての活動も含まれ、抗日戦争の終了に向けた動きが見られました。戦地は主に安徽省西部、湖北省北部、河南省南部にわたり、日本軍の捕虜が集められる地としても知られました。

参考文献

• - 何応欽『日軍侵華八年抗戦史』（1982年、台北、黎明文化事業公司）

このように、抗日戦争第5戦区は中国内での戦争状況に寄与した重要な軍事地区であり、時代の変化に柔軟に対応してきました。各年代の総力戦がもたらした歴史的影響は、今なお多くの研究者にとって興味深いテーマとなっています。

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