韓復榘

韓復榘（かん ふくく）

韓復榘は中華民国の軍人であり、北京政府および国民軍、国民政府（国民革命軍）の一員として極めて重要な役割を果たしました。彼は馮玉祥配下の「十三太保」の一人と称され、その軍歴は多岐にわたります。

生い立ちと軍歴のスタート

韓復榘は私塾教師の家に生まれましたが、貧困のため、1910年に軍に加わります。馮玉祥の軍隊に参加し、清末の灤州起義に参加しましたが、起義は失敗しました。民国成立後、彼は馮玉祥の下に戻り、徐々に軍歴を積むこととなりました。1924年10月に国民軍が成立すると、彼は国民軍第1軍第1師第1旅の旅長に任命され、次第にその地位を上げていきました。

国民軍での戦い

1926年の南口の戦いでは、山西省の閻錫山に直面し、善戦しましたが、国民軍は最終的に南口を放棄します。その後、韓復榘は馮玉祥に復帰し、様々な職を経て国民革命軍の一員としての地位を確立しました。彼の軍功は、中国国民党の北伐においても顕在でした。1927年には河南省政府主席に任命されますが、指揮権を失い、上司との不和が生じました。

山東省における統治

1929年、馮玉祥と蔣介石の対立が深まる中、韓復榘は蔣介石に帰順し、1930年の中原大戦では第1軍団総指揮として、閻錫山の軍と戦っています。この成功により、彼は山東省政府主席に任命され、以降7年以上にわたって山東省を統治します。その間、韓復榘は日本との秘密の連携を図り、張宗昌を暗殺、国民党の山東省党部に圧力を加えることで、強力な自治圏を確立しました。また、郷村建設運動を推進し、省の発展にも寄与しました。

最期の日々

1936年12月、西安事件が発生した際、韓復榘は張学良らを支持する電文を発信します。1937年に日中戦争が勃発すると、彼は戦区のリーダーに就任しますが、自身が捨て駒にされていることを感じ取り、戦闘を避けながら撤退を重ねました。また、劉湘との連携も試みますが、これが蔣介石の不興を買い、粛清の対象となりました。1938年1月、彼は逮捕され、命令違反により処刑されることとなり、49歳という若さでその生涯を閉じました。

脚注と研究資料

彼の生涯については、沈慶生や徐友春らの文献が参考にされており、韓復榘の影響力や行動は中国近代史における重要な要素となっています。

韓復榘は強力な影響を持つ指導者であり、彼の行動は国民党と日本との関係、さらには中華民国の政治情勢に大きな影響を与えました。

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