折木良一

折木良一：自衛隊の要職を歴任した危機管理のプロフェッショナル

折木良一（おりき りょういち）は、1950年2月10日生まれの元陸上自衛官です。熊本県津奈木町出身で、防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊しました。専門は野戦特科です。最終階級は陸将。

自衛隊での経歴

折木氏は、自衛隊において数々の要職を歴任しました。特に注目すべきは、第31代陸上幕僚長、そして第3代統合幕僚長を務めたことです。陸上幕僚長は、陸上自衛隊のトップであり、統合幕僚長は、陸海空自衛隊を統括するトップです。自衛隊の最高幹部として、日本の防衛に大きく貢献しました。

• - 1972年: 防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊
• - 1995年: 第3特科群長 兼 湯布院駐屯地司令
• - 1997年: 陸将補に昇任
• - 2003年: 陸将に昇任、第9師団長
• - 2004年: 第42代陸上幕僚副長
• - 2005年: 第25代中部方面総監
• - 2007年: 第31代陸上幕僚長
• - 2009年: 第3代統合幕僚長

危機管理への貢献

折木氏の統合幕僚長在任中は、北朝鮮による弾道ミサイル発射実験、ソマリア沖の海賊対処、自衛隊ハイチPKO派遣、自衛隊南スーダン派遣など、多くの危機事案が発生しました。折木氏は、これらの事案に対処するために、自衛隊を指揮し、陣頭指揮を執りました。特に、東日本大震災発生時には、自衛隊を総動員し、災害派遣活動を指揮しました。

退官後の活動

2012年に自衛隊を退官した後も、折木氏は日本の安全保障に貢献し続けました。防衛大臣政策参与、国家安全保障局顧問・特別顧問、宇宙政策委員会委員など、政府の要職を歴任しました。また、日本地雷処理を支援する会（JMAS）の会長も務め、地雷除去活動を支援しています。

• - 2012年: 防衛省顧問、防衛大臣補佐官
• - 2014年: 国家安全保障局顧問、防衛大臣政策参与
• - 2016年: 国家安全保障局特別顧問
• - 2017年: 防衛大臣政策参与（再任）
• - 2018年: 宇宙政策委員会委員

受章

折木氏は、その功績が認められ、国内外から多くの勲章を授与されています。

• - 2007年: リージョン・オブ・メリット（司令官級勲功章）
• - 2010年: リージョン・オブ・メリット
• - 2012年: リージョン・オブ・メリット（士官級勲功章）
• - 2020年: 瑞宝大綬章

著書

折木氏は、自身の経験や知識を活かし、著作活動も行っています。

• - 『国を守る責任　自衛隊元最高幹部は語る』 (PHP新書, 2015年)
• - 『自衛隊元最高幹部が教える経営学では学べない戦略の本質』 (KADOKAWA, 2017年)
• - 『日本人のための軍事学』 (角川新書, 2018年、橋爪大三郎との共著)

これらの著書は、自衛隊の活動や日本の安全保障について、一般の人々にもわかりやすく解説しています。折木氏の知見と経験が詰まったこれらの書籍は、日本の防衛を考える上で貴重な資料となります。

折木良一氏は、自衛隊の最高幹部として、また、政府の要職を歴任し、日本の安全保障に多大な貢献をしました。その経験と知識は、今日の日本においても非常に重要です。彼の活動は、日本の防衛を考える上で、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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