拓殖大学柔道部

拓殖大学柔道部

拓殖大学柔道部は、学校法人拓殖大学が運営する同大学の麗澤会体育局に所属する柔道チームです。その起源は非常に古く、大学の創設と同じ1900年に産声を上げました。以来、日本の柔道史に名を刻む多くの偉大な柔道家を育成し、数々の栄光を勝ち取ってきた伝統ある部活動として知られています。

歴史

拓殖大学柔道部の歴史は、大学の歩みと共に始まりました。創部以来、文武両道を掲げ、多くの学生が柔道を通して心身を鍛錬してきました。

特に、1961年には、第二次世界大戦後の柔道界において不敗の伝説を築き上げ、「鬼の木村」と称された偉大な柔道家、木村政彦氏（拓殖大学OB）が監督として母校に戻り、指導の任にあたったことは、部の歴史における特筆すべき出来事です。木村監督のもと、チームは新たな活力を得て、技術と精神の両面で飛躍的な成長を遂げました。

そして、木村監督が自ら才能を見出してスカウトした岩釣兼生氏が4年生となり、チームのキャプテンを務めた1965年には、柔道界における学生最高峰の大会である全日本学生柔道優勝大会において、見事な戦いぶりで優勝を果たしました。この歴史的な優勝を成し遂げたチームのメンバーには、日本柔道界のみならず、世界においてもその名を馳せた選手たちがいました。とりわけ、1964年の東京オリンピック柔道競技で銀メダルを獲得したダグ・ロジャース氏も、この優勝メンバーの一員として名を連ねています。この優勝は、拓殖大学柔道部の実力を国内外に知らしめ、その名声を確固たるものとしました。

おもな出身者

拓殖大学柔道部は、日本の柔道界、そして世界の舞台で活躍する多くの著名な柔道家を輩出してきました。彼らは学生時代に培った技術と精神力を武器に、輝かしい成績を残しています。

木村政彦

「鬼の木村」として伝説的な存在。拓殖大学卒業後、選手として前人未踏の記録を打ち立て、母校の監督としても全日本学生優勝を達成するなど、選手、指導者として多大な功績を残しました。

岩釣兼生

1965年の全日本学生柔道優勝大会でチームを優勝に導いた主将。卒業後も選手として活躍を続け、1971年には日本柔道界最高の栄誉の一つである全日本柔道選手権大会で優勝するなど、日本のトップ選手として長きにわたり活躍しました。

ダグ・ロジャース

カナダ出身の柔道家。拓殖大学で学び、その実力を開花させました。柔道がオリンピックの正式競技として初めて実施された1964年の東京オリンピックにおいて、男子80kg超級で銀メダルを獲得。日本人選手以外で初めて柔道競技のメダルを獲得した選手の一人として、歴史に名を刻みました。

蔵本孝二

1976年のモントリオールオリンピックにおいて、男子70kg級で銀メダルを獲得しました。オリンピックという世界の舞台で、日本の柔道家としての実力を見せつけ、メダル獲得という輝かしい成績を残しました。

西村昌樹

1972年のミュンヘンオリンピックにおいて、男子93kg超級で銅メダルを獲得しました。重量級の選手として、世界の強豪が集まるオリンピックでメダルを獲得するなど、国際大会での活躍を通じて拓殖大学柔道部の存在感を示しました。

これらのOBたちは、それぞれの時代において日本の柔道界を牽引し、後進の育成にも影響を与えてきました。拓殖大学柔道部は、彼らの功績と共に、今後も多くの優れた柔道家を輩出し続けることが期待されています。

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