持永義夫

持永義夫（もちなが よしお）

持永義夫は、1893年6月4日に生まれ、1979年8月31日に86歳で亡くなった日本の官僚、政治家です。内務・厚生官僚として地方行政に携わり、その後、北海道庁長官や衆議院議員を歴任しました。旧姓は小牧であり、衆議院議員の持永和見、自治事務次官の持永堯民は実子です。

生い立ちと官僚としてのキャリア

現在の宮崎県都城市で生まれ、持永善一の養子となりました。宮崎県師範学校から広島高等師範学校に進み、1921年に京都帝国大学法学部英法科を卒業しました。同年11月には高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省し、衛生局に配属されます。その後、和歌山県西牟婁郡長、同県海草郡長、広島県理事官などを経て、社会局に移り、福利課長、保護課長、庶務課長を歴任。さらに厚生大臣官房会計課長、傷兵保護院業務局長など、社会福祉や労働行政分野でその手腕を発揮しました。

知事、北海道庁長官としての活躍

1939年7月には愛媛県知事に就任し、1940年7月には厚生省労働局長に転任。その後、勤労局長を経て、1943年7月には三重県知事に任命されました。兵庫県知事を経て、1945年10月には北海道庁長官に就任。戦後の混乱期における北海道の復興に尽力しました。1946年1月までその職務を務め、退官。

公職追放と政治家としての再起

退官後、公職追放の対象となりましたが、その後弁護士として活動を再開。持永林産の社長にも就任しました。1952年10月、第25回衆議院議員総選挙で宮崎県第2区から自由党公認で出馬し当選。続く1953年4月の第26回総選挙でも当選し、連続2期衆議院議員を務めました。その間、自由党政務調査会労働部長などを務め、労働問題にも積極的に取り組みました。しかし、1955年2月の第27回総選挙では落選し、政界を引退しました。

その他の活動と晩年

持永は、官僚として地方行政に携わる一方、社会福祉や労働問題にも深い関心を持ち、その改善に尽力しました。戦後の復興期には、その行政手腕と政治力によって、北海道の復興にも大きく貢献しました。1979年8月31日、86歳でその生涯を閉じました。

著作

藤野恵との共著『社会行政』常磐書房、1937年。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

参考資料

『日本の歴代知事 第1巻』歴代知事編纂会、1980年。
『宮崎県大百科事典』宮崎日日新聞社、1983年。
衆議院・参議院『議会制度百年史 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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