挟間茂

挟間茂：日本の行政と社会基盤に貢献した官僚

挟間茂(はざましげる、1893年3月24日-1987年12月3日)は、日本の内務官僚であり、内務次官、日本住宅公団総裁を歴任した重要な人物です。広島県福山市出身で、旧姓は三谷。海軍大佐であった挟間光太の養子となり、福山中学(現福山誠之館高校)を経て第六高等学校、東京帝国大学法学部法律学科を卒業しました。

1919年、内務省に入省すると、そのキャリアは順調に推移していきます。衛生局長、茨城県知事、土木局長、地方局長など要職を歴任し、日本の行政運営の中枢を担いました。特に1937年には衛生局長として保健所法の制定に尽力、現在の保健所制度の基礎を築いた功績は高く評価されています。茨城県知事時代には、大洪水に見舞われた地域に対し、効果的な災害復旧政策を実施。その手腕は今日でも称賛されており、災害対策における先見性とリーダーシップの高さを示しています。

1940年には、第2次近衛内閣の内務次官に就任。その地位を利用して、大政翼賛会の結成を推進し、翌年には大政翼賛会組織局長として国民を戦時体制へと動員する役割を担いました。1944年には日本出版会会長も務めています。戦後の公職追放解除後には、1953年の第3回参議院議員通常選挙に茨城地方区から自由党公認で立候補しましたが、落選しています。

戦後の活動も注目に値します。1959年には日本住宅公団総裁に就任し、1965年までその職務に就きました。住宅政策に携わり、日本の都市開発や国民生活の向上に貢献したことは間違いありません。この間、後輩にあたる鈴木俊一を大蔵省から内務省へと引き抜いた逸話も伝わっています。これは、挟間茂の人脈と影響力の大きさを示すエピソードと言えるでしょう。1965年には従三位勲一等瑞宝章を受章しています。

挟間茂は、内務官僚として行政組織の改革や効率化に尽力する一方、災害対策や社会基盤整備、そして戦時体制下での国民動員など、時代を反映した多岐にわたる活動を展開しました。その経験と実績は、日本の近代史を理解する上で重要な要素であり、彼の功績は現在もなお評価されています。1987年12月3日、94歳で死去しました。

彼の生涯は、激動の時代を生き抜いた官僚の生き様を示すものであり、日本の行政、社会、そして政治に多大な影響を与えたことは明らかです。多方面からの研究が続けられ、その業績は歴史に刻まれています。彼の功績は、後世の行政官や政治家にとって貴重な教訓となるでしょう。

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