振り向かない/ガムシャラ バタフライ

振り向かない／ガムシャラ バタフライ

「振り向かない／ガムシャラ バタフライ」は、シンガーソングライター山崎まさよしが、1997年10月22日に世に送り出した通算6作目にあたるシングル作品です。本作は、彼のキャリアにおいて初めて両A面形式を採用したことで特筆されます。発売はポリドール・レコードから行われました。

収録楽曲とその背景

このシングルのタイトルを飾る2曲は、それぞれが異なるタイアップを持ち、広くリスナーに届けられました。まず「振り向かない」は、当時TBS系列で放送されていた人気紀行ドキュメンタリー番組『世界ウルルン滞在記』のエンディングテーマソングとして使用されました。異文化に触れる旅情を優しく彩る楽曲として親しまれました。

一方、「ガムシャラ バタフライ」は、日産自動車の乗用車「パルサー」のCMソングとして起用されました。この楽曲の制作にあたっては、自動車メーカー側から「速い曲」というリクエストがあったとされています。しかし、山崎まさよし自身は、その「速い」がどのような速さを意味するのかに頭を悩ませたというエピソードが残されています。

ライブでの扱い

両A面に収められたこの2曲は、その後のライブ活動において異なる道をたどります。「ガムシャラ バタフライ」は、リリース以降、山崎まさよしのライブにおいて頻繁に演奏される定番曲の一つとなっていきました。その躍動感あふれるサウンドは、多くの観客を魅了しています。

対照的に、「振り向かない」は、かつてはライブで披露される機会が非常に少ない時期がありました。山崎まさよし本人はその理由について、「歌詞が女々しいから」と語っていたことが知られています。しかし、2005年に行われたツアー「YAMAZAKI MASAYOSHI ARENA 2005」で演奏されたことを皮切りに、以降はライブセットリストに組み込まれる機会が増え、再び多くのファンに生演奏で届けられるようになりました。

収録曲詳細

このシングルには、両A面曲とそのインストゥルメンタルバージョンに加え、インストゥルメンタルトラックが一曲収められています。各曲の収録時間は以下の通りです。

振り向かない （4:53）
TBS系「世界ウルルン滞在記」エンディングテーマソング
ガムシャラ バタフライ （2:48）
「日産パルサー」CMソング
mud skiffle track IV （1:28）
振り向かない（karaoke）
ガムシャラ バタフライ（karaoke）

全楽曲の作詞・作曲は山崎まさよし自身が手がけています。編曲については、「振り向かない」は山崎まさよし、中村キタロー、森俊之の共同作業、「ガムシャラ バタフライ」は山崎まさよしと中村キタロー、「mud skiffle track IV」は山崎まさよし単独が担当しています。

各曲のバージョンと収録作品

シングルの発売後、これら楽曲は様々なアルバムやライブ盤に異なるバージョンで収録されています。

振り向かない
シングルバージョンはベストアルバム『BLUE PERIOD』に収録。
初期のデモバージョンにあたる「prototype'94」はアルバム『ステレオ2』に収録。
ライブバージョンは『ONE KNIGHT STANDS』や『WITH STRINGS』といったライブアルバムで聴くことができます。

ガムシャラ バタフライ
シングルバージョンはベストアルバム『BLUE PERIOD』に収録。
アルバム用にミックスされたバージョンは、3枚目のオリジナルアルバム『ドミノ』に収められています。
ライブ音源としては、『ONE KNIGHT STANDS』や『Transit Time』に収録されています。

mud skiffle track IV
* このインストゥルメンタルトラックは、インストゥルメンタル集『OUT OF THE BLUE』に収録されています。

両A面シングルとして、異なる個性を持つ2曲が収録された本作は、タイアップによって広く認知され、山崎まさよしの音楽的な多様性を示す重要な作品と言えるでしょう。特にライブでの演奏頻度の違いや、それにまつわる本人のコメントなども含め、ファンの間では今なお語り草となっています。

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