捕盗庁

捕盗庁の歴史と役割

捕盗庁（ポドチョン）は、李氏朝鮮時代に設立された警察機関であり、漢城府及び京畿道の警察業務を担当していました。この機関は、成宗から中宗の時代にかけて機能しており、現在の日本の警視庁に相当します。この名称は「捕盗」の名の通り、泥棒などの捕獲を主な業務としました。略して「捕庁」と呼ばれることもあります。

紀録に残る最古の資料は1540年のものでありますが、捕盗庁の前身と考えられる官職「捕盗将」が初めて設置されたのは1471年のことです。さらに1481年には、「捕盗事目」という法律が制定され、捕盗将の数が2名と規定されました。これらの事実から、捕盗庁の設立は1471年に遡ると考えられています。

しかし、捕盗庁は1894年に警務庁の創設によってその役割を終えました。このように、捕盗庁は長い歴史を持ちつつも、他の行政機関の設立によって姿を消すこととなりました。Capture Departmentの下には、官僚制度の一環として茶母（ダモ）という女性が従事しており、彼女たちは警察業務の補助を行っていました。*

特に興味深いのは、茶母を主人公とした韓国ドラマ『チェオクの剣』が放送されたことです。このドラマは、捕盗庁の役割やその時代背景を理解する手助けともなっています。

捕盗庁には左捕盗庁（チャポドチョン）と右捕盗庁（ウポドチョン）が存在し、それぞれに官職が存在しました。左捕盗庁は従二品官の大将（テジャン）を1名、従六品官の従事官（チョンサガン）を2〜3名、部将（プジャン）または副官（フクカン）を3〜4名採用していました。これに加え、50名以上の捕校が従事していました。捕校は特定の訓練を受けており、その権限はかなり大きいものでした。庶民に対してはほとんど抵抗を許されず、その権限を行使する権利を持っていました。しかし、両班（貴族層）からは軽視されていたため、彼らに対する冷遇は少なくありませんでした。

また、丙寅教獄で生還したリデル神父は、その獄中での記録を通じて捕盗庁について詳細に述べています。その記述は、捕盗庁の実態や当時の社会情勢を知る手がかりとなる重要な資料として評価されています。

捕盗庁はその後の大韓帝国の警察、さらには現在の大韓民国の警察制度へと引き継がれる重要な基盤を築いたと言えるでしょう。このように、捕盗庁の歴史は朝鮮王国の治安維持に大きく寄与し、今日の警察組織にもその影響が見られます。

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