捜諧若鞮単于

捜諧若鞮単于（しゅうがいにゃくたいぜんう）

捜諧若鞮単于（紀元前? - 紀元前12年）は、前漢時代の匈奴の単于です。呼韓邪単于と第2閼氏（大閼氏）の間に生まれ、復株累若鞮単于の弟にあたります。捜諧若鞮単于というのは単于号であり、姓は攣鞮氏、名は且麋胥（しゃびしょ）といいます。

生涯

呼韓邪単于と第2閼氏（大閼氏）の間に生まれました。

建始2年（紀元前31年）、兄の復株累若鞮単于が即位すると、王位継承の規則により、次の弟である且麋胥は左賢王に任ぜられました。

鴻嘉元年（紀元前20年）、復株累若鞮単于が死去したため、左賢王であった且麋胥が捜諧若鞮単于として即位しました。捜諧若鞮単于は、子の左祝都韓王である朐留斯侯を漢に入侍させ、弟の且莫車を左賢王としました。

元延元年（紀元前12年）、捜諧若鞮単于は明年の元延2年（紀元前11年）に入朝する手続きを行いましたが、その年に病死してしまいます。その後、弟の左賢王且莫車が立ち、車牙若鞮単于となりました。

子

左祝都韓王（朐留斯侯）

匈奴の単于号について

匈奴の単于号は、即位するごとに新たな称号が与えられました。これは、中国王朝の皇帝が即位時に元号を定めるのと似ています。単于号は、その単于の治世の特徴や願いを込めたものであったと考えられています。

匈奴の政治体制

匈奴の政治体制は、単于を頂点とする一種の部族連合国家でした。単于の下には、左右の賢王をはじめとする有力な部族長がおり、それぞれが領地を統治していました。左賢王は、単于の次の地位にあり、有力な後継者候補でした。

前漢との関係

匈奴は、前漢との間で長年にわたり緊張関係にありました。武帝の時代には大規模な遠征が行われましたが、その後も和親と敵対を繰り返しました。呼韓邪単于の時代には、前漢に服属し、関係は安定しましたが、その後も匈奴内部の対立や漢との関係悪化など、不安定な要素を抱えていました。

まとめ

捜諧若鞮単于は、前漢との関係が比較的安定していた時代の匈奴の単于でした。しかし、在位期間は短く、その後の匈奴の歴史に大きな影響を与えることはありませんでした。彼の時代は、匈奴が漢との関係を模索し、内部の安定を図ろうとしていた時期であったと言えるでしょう。

参考資料

『漢書』（匈奴伝下）

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