掛け投げ

掛け投げ (かけなげ)

掛け投げは、日本相撲協会が定める相撲の決まり手82手の一つで、投げ技に分類されます。別名として「けんけん」とも呼ばれています。

概説

内掛けの状態から、相手を跳ね上げるようにして投げるのが掛け投げです。柔道の内股や大内股に似た技であり、相撲では「掛け投げ」や「搦み投げ」と呼ばれていたという記述が、1948年の講道館機関誌『柔道』に見られます。大正時代の横綱である鳳が、この技の名手として知られていました。相手が片足で耐えようとすると、跳ねるような形になることから「けんけん」とも呼ばれます。

掛け投げは、返し技としても用いられることがあります。

近年では、2014年9月場所千秋楽の結びの一番で、横綱白鵬が横綱鶴竜に対してこの技を決め、歴代2位タイとなる通算31回目の幕内最高優勝を飾りました。また、幕内では時天空や隆の山、十両では維新力がこの技を決めたことがあります。2012年の大相撲トーナメントでは、白鵬が決勝で豪栄道に掛け投げを仕掛けています。

2019年9月場所では、十両経験者の天空海が幕下の取り組みで、幕内経験者の荒鷲と王輝を相手に、同じ場所で2度も掛け投げを成功させました。天空海は2021年9月場所でも、4度掛け投げを決めています。

本来の掛け投げは、相手の差し手を小手に巻くか、首に巻いて、足を内掛けの状態にして倒す技です。

搦み投げ (からみなげ)

搦み投げは、投げの形が上手投げまたは下手投げの掛け投げを指します。日本相撲協会の定める決まり手82手には含まれていません。上手の場合は上手搦み投げ、下手の場合は下手搦み投げと区別されることがあります。

日本相撲協会が決まり手を制定する以前の取り組みでは、「搦み投げ」と記録された例が数多く存在します。以下に、横綱・大関が登場した取り組みの例を挙げます。

昭和2年5月場所3日目：西ノ海が常陸嶽に勝利
昭和12年5月場所11日目：双葉山が清水川に勝利（双葉山の69連勝中の記録）
昭和16年5月場所11日目：羽黒山が肥州山に勝利
昭和18年5月場所4日目：安藝ノ海が東冨士に勝利

関連項目

大相撲の決まり手一覧

外部リンク

掛け投げ - 決まり手八十二手

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