内掛け

内掛け：相撲の技

内掛けは、相撲における決まり手の一つで、相手を倒すために用いられる技術です。具体的には、自分の足（右または左）を相手の足の内股に引っ掛けて、相手の体勢を崩し、最終的に仰向けに倒すことを目指します。この技は、柔道における大内刈に相当すると言われています。

使い手と技術

元大関である増位山によると、内掛けは後ろに反ろうとする力士に対して特に有効であるとのことです。外掛けと比較して、内掛けは相手の足腰の強さに関わらず決まりやすいという特徴があります。技のポイントは、相手の足首に近い低い位置に踵を当てるように足を掛けることです。これにより、相手は膝の関節が外側に開き、後ろに体重が傾くため、踏ん張りが利きにくくなります。

歴史

内掛けを得意とした力士は、古くは昭和初期に活躍した元関脇の新海や、1950年代の元大関の琴ヶ濵が挙げられます。ただし、新海は足を掛けたら離さずに相手にもたれ込むように倒すのに対し、琴ヶ濵はタイミングよく一発で仕留めるというスタイルでした。1970年代以降では、増位山や元大関の霧島などがこの技を用いて勝利を収めています。特に霧島は、貴花田や貴ノ浪といった強豪力士に対しても内掛けを成功させています。

また、舞の海、智ノ花、海鵬といった小兵力士も内掛けを多用し、観客を魅了しました。

舞の海と小錦の一戦

1994年11月場所の12日目には、幕内最軽量の舞の海が、幕内最重量の小錦を内掛けで破るという番狂わせがありました。この一番は、内掛けの有効性を示す象徴的な例として、相撲ファンの間で語り継がれています。

関連事項

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