搭乗科学技術者

搭乗科学技術者（ペイロードスペシャリスト）とは

搭乗科学技術者（ペイロードスペシャリスト、英語：Payload Specialist, PS）は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の宇宙飛行士の一区分です。船長、操縦手、搭乗運用技術者といった、スペースシャトルの操縦やシステム運用を担う宇宙飛行士とは異なり、特定の目的のためにスペースシャトルに搭乗します。

その主な役割は、宇宙空間で行われる実験や科学運用に専念することです。例えば、宇宙実験を行う研究者や、商業ペイロード（積荷）を搭載する場合の専門家などが、この資格で宇宙へ飛び立ちます。そのため、NASAに所属する宇宙飛行士とは限りません。

国際的な共同実験のために搭乗する研究者や、宇宙開発に関心のある議員、教育関係者なども、搭乗科学技術者として宇宙へ行くことがあります。

歴史

搭乗科学技術者は、1983年のSTS-9ミッションで初めて宇宙へ飛び立ちました。このミッションでは、様々な科学実験が行われ、搭乗科学技術者はその遂行に貢献しました。

しかし、2003年のSTS-107ミッション（コロンビア号空中分解事故）以降、搭乗科学技術者という区分での飛行は行われなくなりました。コロンビア号の事故後、安全対策が強化され、宇宙へ行くにはより高度な訓練と知識が必要とされるようになったため、教師など専門外の人が宇宙へ行く場合でも、搭乗運用技術者としての資格を取得することが求められるようになりました。

日本人搭乗科学技術者

日本からは、以下の宇宙飛行士が搭乗科学技術者として宇宙へ行きました。

毛利衛（もうり まもる）：搭乗運用技術者としても資格を持つ
向井千秋（むかい ちあき）
土井隆雄（どい たかお）：搭乗運用技術者としても資格を持つ

彼らは、宇宙空間での実験や研究活動に従事し、日本の宇宙開発に大きく貢献しました。

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