STS-107

STS-107ミッション概要

STS-107は、アメリカ航空宇宙局（NASA）のスペースシャトル計画におけるミッションの一つで、2003年1月16日にスペースシャトル・コロンビアによって打ち上げられました。このミッションでは、スペースハブと呼ばれる実験モジュールを利用し、様々な科学実験が行われる予定でした。

しかし、ミッションは悲劇的な結末を迎えます。2003年2月1日、コロンビアは地球への帰還中に空中分解を起こし、搭乗していた7名の宇宙飛行士全員が死亡するという痛ましい事故となりました。この事故は、スペースシャトル計画全体に大きな影響を与え、安全対策の見直しを迫るきっかけとなりました。

ミッションの目的

STS-107の主な目的は、微小重力環境を利用した科学実験を行うことでした。スペースハブ内では、様々な分野の研究が進められる予定で、生物学、物理学、材料科学など多岐にわたる実験が計画されていました。これらの実験データは、将来の宇宙開発や地球上の科学技術の発展に貢献することが期待されていました。

搭乗員

STS-107には、以下の7名の宇宙飛行士が搭乗していました。

リック・ハズバンド（船長）
ウィリアム・マッコール（パイロット）
マイケル・アンダーソン（ペイロード・コマンダー）
イラン・ラモーン（ペイロード・スペシャリスト）
カルパナ・チャウラ（ミッション・スペシャリスト）
デイビッド・ブラウン（ミッション・スペシャリスト）
ローレル・クラーク（ミッション・スペシャリスト）

彼らは、それぞれの専門分野において高度な知識と経験を持ち、ミッションの成功に向けて尽力していました。

ミッションパラメータ

質量:
打ち上げ時: 119,615 kg
着陸時（予定）: 105,593 kg
軌道:
近地点: 270 km
遠地点: 285 km
軌道傾斜角: 39.0°
周期: 90.1 分

事故の原因

事故調査の結果、コロンビアの左翼前縁部に断熱材の破片が衝突したことが原因と判明しました。打ち上げ時に外部燃料タンクから剥がれた断熱材が、コロンビアの翼に衝突し、その損傷が帰還時の大気圏再突入時に高温にさらされ、機体の破壊につながったとされています。

その後の影響

STS-107の事故は、NASAのスペースシャトル計画に大きな見直しを迫りました。安全対策の強化、機体設計の改善、打ち上げ前の点検の徹底など、様々な対策が講じられました。また、この事故を教訓として、宇宙開発における安全性の重要性が改めて認識されることとなりました。

関連事項

STS-51-L (チャレンジャー号爆発事故)

外部リンク

JAXAのSTS-107ミッションページ
NASA's Space Shuttle Columbia & Her Crew
NASA STS-107 Crew Memorial web page
NASA's STS-107 Space Research Web Site
Spaceflight Now: STS-107 Mission Report
STS-107 Science Reports
Press Kit
Article describing experiments which survived the disaster
Article: Astronaut Laurel Clark from Racine, WI
Status reports Detailed NASA status reports for each day of the mission.
* Raw Video Reconstruction of Re-entry, Tribute Videos, and More

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