搶槓

搶槓（チャンカン）

搶槓とは、麻雀における役のひとつで、1翻役です。他家が加槓を宣言した際、その牌が自分の和了牌であった場合に、ロン和了を宣言できるというルールです。加槓した者が放銃者となります。「搶」は「奪う」という意味であり、字義的にはこの表記が正しいとされています。

概要

搶槓は、河に捨てられた牌以外からロン和了できる唯一の役であり、基本的に加槓の場合にのみ成立します。ただし、国士無双に限っては、例外的に暗槓でも搶槓によるロン和了を認めるルールが採用されている場合があります。

特殊な状況でしか成立しない役であるため、成立頻度は低いですが、ローカル役ではないため注意が必要です。2人打ち麻雀では、搶槓はフリテンとなるため、原則として成立しません（ただし、後述する国士無双の暗槓に対する搶槓が可能な場合を除く）。

搶槓が成立した場合、その槓は不成立となります。したがって、槓ドラは発生せず、リーチ一発圏内であれば一発と複合します。四開槓と搶槓が重なった場合も、搶槓による和了が優先されます。

フリテンの状態で搶槓を宣言した場合は、チョンボとなります。加槓前の元々のポンが自身の打牌によるものの場合もフリテンとなり、搶槓で和了ることはできません。2人打ち麻雀では、この形になっている時点でフリテン状態となるため、搶槓は実行不可能です。搶槓の見逃しは、通常のロン牌の見逃しと同様に扱われ、フリテンのルールが適用されます。リーチ後であればリーチ後のフリテン、そうでなければ同巡内フリテンとなります。

搶槓は、他家の加槓をロンする役なので、加槓を宣言した時点で、その牌は加槓者のもとに4枚集まっていることになります。したがって、搶槓で和了した者の手牌（聴牌形）には、その牌は含まれていません。そのため、搶槓の待ちの形は、両面、嵌張、辺張、および国士無双一面待ちに限られ、双碰、単騎（七対子含む）、および国士無双十三面待ちはありえません。特に、字牌の搶槓は国士無双のみに限られます。

実質的に、ダブルリーチとは複合しません。加槓は誰かがポンしていることが前提ですが、リーチ宣言よりも前にポンが発生すれば、ダブルリーチは成立しません。リーチ宣言よりも後にポンが発生した場合、ポン対象の捨て牌が和了牌であるはずなので、ロンをしなければ見逃しでフリテンになり、搶槓で和了れなくなってしまいます。

ただし、国士無双の暗槓に対する搶槓を可とし、人和が役満扱いであり、かつ役満の複合を認めるというローカルルールが重なった場合のみ、人和と複合する可能性があります。この場合は役満の話であるため、搶槓は得点計算上は複合せず、あくまで和了の行為として搶槓が成立するという扱いになります。2人打ち麻雀でも、この場合に限り搶槓が可能です。したがって、このローカルルールが採用されていたとしても、「么九牌以外の牌（=中張牌）での暗槓に対する搶槓」は不可能です。

抜きドラに対するロン宣言

抜きドラを用いる三人麻雀では、相手が抜いた抜きドラに対してロンを宣言できるルールになっている場合があります。これは搶北（チャンペー）と呼ばれることもありますが、抜きドラを抜く行為は加槓ではないため、搶槓の定義からは外れます。したがって、抜きドラに対するロン宣言には搶槓はつきません。役無し状態で抜きドラにロンを宣言するとチョンボとなるため、注意が必要です。

関連項目

麻雀の役一覧
麻雀用語一覧

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