救助員 (海上自衛隊)

救助員について

救助員（きゅうじょいん）とは、海上自衛隊の一員として航空機に搭乗し、水難救助を専門に行う自衛官のことを指します。彼らは主に遭難者や傷病者を救助し、航空機内に収容する任務を担っています。救助員には、様々な救助手法や育成プログラムが存在し、厳格な訓練を受けながらその道を歩みます。

機上救助員の役割と歴史

海上自衛隊において、救難飛行艇US-1の開発の際、遭難者救助の手段として二つの方法が検討されました。一つは、直接機体に接舷して引き揚げる方法で、もう一つはインフレータブルボートを使用する方法です。接舷救助は、多数の遭難者が存在する場合に時間がかかることから、また海が荒れた際にはインフレータブルボートを利用することが困難になることから、従来の方法には限界がありました。

この課題に対して、潜水士が水中から直接救助にあたるという新たな提案が生まれました。実験により、ベテランの水中処分員の能力が高く評価され、迅速且つ信頼性の高い救助方法として「機上救助員（RS）」の制度が確立されました。その後、救助員を育成するための教育課程も新設され、航空士としての基礎を固めた後、第203教育航空隊でのさらなる専門的な訓練を受け、チームの一員としての役割を果たすことになります。

降下救助員の役割

機上救助員とは別に、降下救助員も重要な任務を担っています。潜水特技を持たない隊員がヘリコプターを使用して救助作業を行う場合、降下救助法が一般的に用いられます。この手法では、救助員がホイストを使って下降し、遭難者を救助しますが、救助員は原則としてそのケーブルに留まる必要があり、動きに制約があります。

救難飛行艇の多くは、救助を担当する潜水員である機上救助員と、医療を担当する衛生員としての機上救護員が共に搭乗します。これに対し、救難ヘリコプターでは搭乗人数に制限があるため、機上救護員が救助の役割を兼任しています。これまでも主に降下救助法が用いられてきましたが、近年では、体力を消耗した遭難者を迅速かつ確実に救出するために自由に動ける救助法が求められるようになりました。

平成12年度からは、HRS（helicopter rescue swimmer）資格が制度化され、機上救護員がこの資格を取得することが求められています。これにより、彼らの救助活動はより効果的かつ安全なものとなってきています。特に哨戒ヘリコプターのSH-60JやSH-60Kにはホイストが装備されており、降下救助活動が行われることもありますが、この際には航空電子整備員が副任務として関わっています。

結論

救助員は、海上自衛隊の中で水難救助を専門に行う重要な職種です。彼らは多様な技術と訓練を活かし、危険な状況に置かれた人々の命を救うために日夜努めています。彼らの活動は命を左右するものであり、その存在は海の安全保障にとって不可欠です。

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