教育区

教育区とは

教育区とは、日本が沖縄を統治していた時代（日本復帰前）に、教育行政を専門に行うために、市町村の区域ごとに設置された公法人です。これは、本土の地方自治法における特別地方公共団体に相当する組織であり、市町村とは独立した存在でした。

教育区の組織

教育区には、教育に関する意思決定を行う機関として教育委員会と、その長である教育長が置かれていました。教育委員は住民の選挙によって選出され、住民の意思が教育行政に反映される仕組みとなっていました。

市町村との関係

教育区は市町村とは別の法人格を持つ独立した組織でした。市町村は教育税の徴収や教育委員の選挙事務などを担当しましたが、教育区の下部組織ではありませんでした。例えば、那覇市内の小学校は、「那覇市立○○小学校」ではなく、「那覇教育区立○○小学校」という名称でした。このことは、教育区が市町村の行政から独立して運営されていたことを示しています。

連合教育区

複数の教育区をまとめる「連合教育区」という組織も存在しました。これは、より広域的な教育行政を行うために設けられたものであり、複数の教育区が連携して教育活動を行っていました。

教育区の合併

市町村が合併した場合、教育区もそれに合わせて合併しました。これは、教育区が市町村の区域と連動して設置されていたためです。

教育区の意義

教育区は、当時の沖縄における教育行政の基盤となる重要な組織でした。教育の独立性を保ちながら、地域住民のニーズに応じた教育を行うことを目指していました。

関連事項

琉球政府：教育区が設置されていた時代の沖縄の政府。
アメリカ施政権下の沖縄の法令：教育区の設立や運営に関する法令。
教育税：教育区の運営資金として徴収された税金。
文教局 (琉球政府)：琉球政府における教育行政機関。
中央教育委員会 (琉球政府)：琉球政府の教育政策を決定する機関。
アメリカ合衆国の学区：アメリカにおける学校区制度。教育区と比較されることがある。

教育区は、沖縄の教育史において重要な役割を果たした組織であり、その制度は、現在の沖縄の教育行政にも影響を与えています。

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