敵は海賊〜猫たちの饗宴〜

『敵は海賊〜猫たちの饗宴〜』について

『敵は海賊〜猫たちの饗宴〜』は、神林長平のSF小説『敵は海賊』シリーズの第2作目をもとにしたアニメーション作品です。キティフィルムが制作し、全6話から構成されています。この作品は、日本における初のCSオリジナルアニメーションとして、1989年12月26日から31日まで、CSアナログ放送の「スカイポート」チャンネルで初めて一般に公開されました。

物語は猫型星系人の海賊課の刑事、アプロと彼の同僚であるラウル・ラテル・サトルが、AI搭載のフリゲート艦ラジェンドラとともに、太陽系最大の海賊である匋冥（ようめい）・シャローム・ツザッキィを追うという冒険を描いています。総監督は山田勝久、キャラクターデザインと総作画監督を後藤隆幸が担当しました。

OVAの構成

このアニメーションは3部構成で、各エピソードが前編と後編に分かれ、合計6本の作品としてリリースされました。具体的には以下のような構成になっています。

• - 猫じゃらし作戦: 前編（VOL.1）、後編（VOL.2） 監督：山田勝久
• - 猫かぶり前哨戦: 前編（VOL.3）、後編（VOL.4） 監督：貞光紳也
• - 猫いらず大騒動: 前編（VOL.5）、後編（VOL.6） 監督：やまざきかずお

各作品は異なる監督によって制作され、それぞれのエピソードに独自の個性を見出すことができます。また、制作プロダクションも異なり、マッドハウス、IGタツノコ、渡辺プロモーションの3社が担当しました。

アニメ化の特徴

『敵は海賊〜猫たちの饗宴〜』では、絵と台詞の情報量を最大限に盛り込み、原作の雰囲気をできるだけ維持しようとした努力が見られます。特にアプロとラテルの会話はテンポが良く、活気に満ちています。さらに、音楽はヘヴィメタルとハードロックの路線を基にしており、ロンドン録音で米持孝秋が演奏したギターが特徴的です。

オープニングシーンでは、海賊との追跡劇が描かれ、物語の見所をスマートに織り交ぜています。このような編集の工夫が、視聴者に引き込む要素となっています。また、各話のエンディングにはアメコミ風のイラストが使われており、視覚的な楽しさも提供しています。

各エピソードの概要

1. 猫じゃらし作戦

火星のバー「軍神」で最強の海賊、匋冥とその仲間たちによる陰謀が進行中。ラテルとアプロは新しい事件に巻き込まれる。

2. 猫かぶり前哨戦

火星で古代のゲーム「ベースボール」を通じて情報軍と海賊課チームが戦う様子が描かれ、CATシステムによる猫化現象が発生。

3. 猫いらず大騒動

ラジェンドラが猫型の複葉機に変わり、海賊と戦うシーンが繰り広げられ、ついには彼らの前に巨大な黒猫が現れる。

スタッフとキャスト

本作品には多くの才能あるスタッフが関わり、製作には多賀英典、東光弘、企画には落合茂一、宇田川淳一が名を連ねています。声優陣には田中秀幸、三ツ矢雄二、堀内賢雄などが参加しており、彼らの演技が物語に深みを与えています。

また、オリジナル・サウンドトラックもリリースされ、視聴者をさらに作品に引き込む要素となっています。『敵は海賊〜猫たちの饗宴〜』は、その個性的なキャラクター、魅力的なストーリー、視覚と聴覚で楽しませてくれる作品として、多くのファンに愛され続けています。

もう一度検索