敷名元範

敷名 元範（しきな もとのり）

敷名元範は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活動していた武将であり、毛利氏の一門衆の一人であった。彼は毛利元就の異母弟である相合元綱の嫡男として、安芸国高田郡吉田で生まれた。元範の生年については、いくつかの説が存在するがいずれも確証に欠けており、詳細は不明である。

生涯の始まり

元範の詳しい生年については不明瞭で、そのため彼の出自に関する資料は諸々存在する。父である相合元綱が大永4年（1524年）に亡くなったとき、元範はまだ幼かったと考えられており、一般的には永正年間初めから大永年間初め頃に生まれたとされている。ある神社に残されている棟札の写しでは、元範の生年が大永元年（1521年）であると記載されていたが、信憑性には疑問の声もある。そのため、彼の生年は今でも謎に包まれている。

相合殿事件

大永3年（1523年）7月、毛利氏の家督について元就と父・元綱間の紛争が勃発する。元就の家督相続に不満を持った一部の重臣たちは、元綱を擁立しようと画策した。元就はこの不穏な動きを看過することはできず、同年の4月、元綱を討伐し、彼に連なる家臣たちを粛清した。この事件により、元綱の嫡男である元範は連座を免れ助命される。

新たな名字の獲得

その後、元範は毛利元就によって攻め取られた大笹山城の主となり、この邸に在名していたことから「敷名」という名字を授けられた。家名を新たに与えられた元範は、以後この名の下で活動することとなる。

毛利氏一門衆としての活躍

元範はその後、毛利氏家臣団への忠誠を誓った際、31番目にその名を連ねている。彼の子族である敷名元喬や他の家臣とともに敷名村の八幡宮を再興し、また江田氏の跡を継ぎ旗返城主としての役割を果たしている。

その後も元範は毛利氏の防長経略や討伐作戦に参加し、備後国の人々に対して指導力を発揮した。彼は備後衆を指揮し、備中松山城主が絡む攻撃にも関与したが、様々な戦況変化によってその戦略は調整されていく。

晩年と死去の謎

彼の晩年の詳細ははっきりしておらず、1595年に彼が64歳で死去したという記録も残っているが、その信憑性には疑問がある。生年を逆算すると、父である元綱の死後数年内に生まれた可能性があるため、記録の詳細には不明点が多い。

元範の子孫は馬屋原氏を名乗り、毛利氏の防長移封と共に萩へ移住する。また、長州藩士として後に貴族院議員となった馬屋原彰や馬屋原二郎は、元範の末裔である。

家系

敷名元範は、毛利家の中で重要な一員であり、彼の家系図には多くの名将が連なっている。彼は毛利の家系を今に伝え、武家の歴史においてもその存在を忘れてはならない人物である。

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