文東煥

文東煥（ムン・ドンファン）

文東煥（ムン・ドンファン、Moon Dong-Hwan、1972年5月8日 - ）は、韓国出身の元プロ野球選手（投手）であり、現在は野球指導者として活動しています。

経歴

アマチュア時代

東蓬高校、延世大学校体育教育学科を経て、1994年のドラフトでロッテ・ジャイアンツから指名を受けましたが、実業団野球の現代フェニックスに入団しました。現代グループは新球団創設によるプロ参入を企図していましたが、既存球団の反対により頓挫し、その代替としてフェニックスを設立しました。1994年、1995年のドラフトで指名された多くの大学生選手を、既存球団を上回る巨額の契約金で獲得し、プロ球団を困惑させました。フェニックスは名目上アマチュア球団であったため、プロ指名を受けた選手の入団に問題はありませんでした。その後、現代グループが太平洋ドルフィンズを買収してプロ参入した際、現代はフェニックス入団時に選手と交わした契約（移籍の際には契約金の5倍の違約金を支払うという内容）を盾に、選手を元の指名球団へ復帰させる代わりに、各球団の主力選手を無償トレードで獲得しました。

ロッテ・ジャイアンツ時代

文東煥もこの過程を経て、1996年オフにロッテ・ジャイアンツへ入団しました。ロッテはトップバッターだった田俊昊（チョン・ジュンホ）を現代ユニコーンズへトレードすることで文東煥の契約を解除してもらい、孫敏漢（ソン・ミンハン）と共に新入団選手として迎え入れました。大学時代から1年後輩の林仙東（イム・ソンドン）、ライバル高麗大学の趙成珉（チョ・ソンミン）、孫敏漢らと共に、韓国アマチュア代表チームの主軸として活躍。現代フェニックス在籍時にはアマチュア選手として1996年アトランタオリンピックに出場するなど、同時入団の孫敏漢と共にロッテの投手陣を牽引するエース候補として期待されました。

入団当初は期待外れの成績に終わりましたが、翌年から2桁勝利を挙げ、入団3年目の1999年には17勝を記録し、チームの韓国シリーズ進出に大きく貢献しました。同年には日韓プロ野球スーパーゲームの第2戦で先発投手も務めました。しかし、2000年以降は故障に苦しみ、出場機会が激減。同時期に入団した孫敏漢も故障に苦しみ、復帰した時には文東煥が不調に陥るなど、ロッテ球団が期待した両投手による安定した先発陣の構築は実現しませんでした。2003年にはついに1試合も登板できず、ロッテは彼の回復を諦め、鄭守根（チョン・スグン）がフリーエージェントでロッテへ移籍した際の補償選手として斗山ベアーズへトレードしました。

斗山ベアーズ、ハンファ・イーグルス時代

斗山ベアーズは当初から文東煥を目当てに獲得したわけではなく、ハンファ・イーグルスの捕手、蔡相秉（チェ・サンビョン）を獲得するためのトレード要員として彼を獲得。文東煥は斗山のユニフォームを着ることなく、三角トレードの形でハンファへ移籍しました。斗山への在籍期間はわずか11日でした。

しかし、ハンファでは故障からの回復を見せ、移籍1年目は4勝15敗と振るわなかったものの、5年ぶりに120イニングを超えるなど登板機会が増え、復活への兆しを見せました。2005年に金寅植（キム・インシク）監督が就任すると、2005年に10勝、2006年には16勝を挙げ見事に復活。彼をプロテクトリストから外していたロッテ球団の判断に対し、ファンからは非難の声が上がりました。2007年は再び故障に苦しみ、5勝に終わりました。2008年は一軍登板がなく、2009年も一軍での登板機会がないままシーズン途中の7月にウェーバー公示され、チームを去りました。

引退後

引退後は浦項製鉄工業高校野球部の投手コーチに就任し、指導者としての道を歩み始めました。2012年には古巣ハンファの投手コーチに就任しましたが、1年で退任。2013年からは斗山ベアーズのコーチとして2016年まで務めました。2018年からは仁倉高等学校野球部の投手コーチ、2019年からは尚佑高等学校野球部の監督を務めました。2025年からはロッテ・ジャイアンツの二軍ブルペンコーチに就任し、プロ野球の指導者として復帰しました。

年度別投手成績

(省略)

背番号

75 （1997年、2011年 - 2012年）
29 （1998年 - 2003年）
16 （2004年 - 2009年）
71 （2013年 - 2016年）
* 82 （2025年 - ）

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