斉 (南朝)

南朝斉（479年 - 502年）

南朝斉は、中国の南北朝時代に江南に存在した国で、南朝の一つです。北朝の北斉や春秋戦国時代の斉と区別するため、南斉または蕭斉とも呼ばれます。

歴史

建国期

南朝斉の建国者である蕭道成は、前[[漢]]の功臣、蕭何の子孫と称しました。南朝宋の軍人として頭角を現し、北魏との戦いで軍閥化し実力者となります。明帝の死後、皇族の反乱を鎮圧する中で勢力を拡大し、皇帝の廃立を左右するほどの権力を握りました。479年、蕭道成は順帝から禅譲を受け、南朝斉を建国しました。

短命王朝の興亡

蕭道成は質素倹約を奨励し、学問を奨励して国を安定させましたが、在位3年で死去。後を継いだ武帝は、南朝宋末期の混乱を立て直すために検地を実施し国力を高めましたが、一方で過酷な税を取り立てたため、国内で反乱が起こりました。武帝の死後、二人の皇帝が相次いで殺害される異常事態となり、その後即位した明帝は恐怖政治を敷き、多くの皇族を殺害しました。明帝の死後、即位した東昏侯は残虐な皇帝として知られ、宮廷での贅沢な生活と、虐殺を繰り返したために政治は大きく乱れました。これに激怒した蕭懿の弟の蕭衍は、挙兵して東昏侯を粛清し、南朝梁を建国、南朝斉は滅亡しました。

なお、明帝の子である蕭宝寅は、斉が滅亡すると北魏に亡命しましたが、後に反乱を起こし一時的に皇帝を名乗っています。

文化

南朝斉の文化の中心は、武帝の次男である竟陵王蕭子良のサロンでした。彼の邸宅には多くの文人が集まり、その中でも特に有名な8人は「竟陵の八友」と呼ばれています。蕭衍もその一人でした。

国家体制

皇族

蕭道成は、南朝宋の皇族が殺し合った末に滅亡したことを深く憂慮し、一族に戒めを説きました。しかし、西晋から続く皇族内の争いの流れは止めることができず、明帝や東昏侯のような暴君が現れ、南朝宋と同じ末路をたどりました。

社会・経済

南朝斉では、南朝宋の時代から続いていた台使制度が不正を繰り返していたため、蕭子良の提言によって廃止されました。地方政治を安定させるため、地方官の任期を長期化する政策が採用されました。しかし、一方で戸籍の不正が横行し、税金や賦役を免れるために賄賂が横行し、戸籍が改竄されるという事態が頻発しました。その結果、南朝斉の財政基盤は破壊され、民衆の不満は高まり、反乱も発生しました。戸籍の改竄は税収の減少と賦役の負担増を招き、社会の混乱をさらに悪化させました。

斉の皇帝

高帝（蕭道成）
武帝（蕭賾）
廃帝鬱林王（蕭昭業）
廃帝海陵王（蕭昭文）
明帝（蕭鸞）
廃帝東昏侯（蕭宝巻）
和帝（蕭宝融）

死後に皇帝号を追尊された者

宣帝（蕭承之）：高帝蕭道成の父
文帝（蕭長懋）：武帝蕭賾の皇太子
景皇（蕭道生）：明帝蕭鸞の父

斉の滅亡後、斉皇帝を僭称した者

蕭宝寅：527年 - 528年

系図

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脚注

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参考文献

川本芳昭『中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝』講談社〈中国の歴史05〉、2005年2月。
山本英史『中国の歴史』河出書房新社、2010年10月。

関連項目

魏晋南北朝時代
六朝
南斉書

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