斉藤秀夫

斉藤秀夫（さいとう ひでお）

1967年8月23日生まれの日本のソフトウェア開発者。特に、テキストエディタ「秀丸エディタ」やメールソフト「秀丸メール」などのシェアウェア開発者として知られています。有限会社サイトー企画の代表を務め、パソコン通信全盛期からインターネット黎明期にかけて、個人でソフトウェアを開発・公開するシェアウェア作家の代表的な存在として活躍しました。

生い立ちとプログラミングとの出会い

福井県鯖江市で生まれた斉藤秀夫は、幼い頃から数学や論理的思考に長けていました。中学3年生の時にPC-6001に触れ、BASICによるプログラミングに熱中します。この頃からプログラミングの魅力に惹かれ、ソフトウェア開発の道に進むことを志すようになったと考えられます。

富士通での経験

1988年、福井工業高等専門学校機械工学科を卒業後、富士通に入社し、大型コンピュータのソフトウェア開発部門に配属されます。ここではOS/2対応アプリケーションの開発に携わり、プロのソフトウェア開発者としての経験を積みます。この経験が、後のシェアウェア開発に大きく役立ったと言えるでしょう。

シェアウェア開発への転身

1991年、斉藤は個人用にPC/AT互換機|PC_AT互換機を購入した際、当時まだ十分ではなかったWindows 3.0用の通信ソフトやテキストエディタの必要性を感じ、個人でのソフトウェア開発を始めます。富士通在職中は、「秀まるお」というハンドルネームで、通信ソフト「秀Term」（1992年）やテキストエディタ「秀丸エディタ」（1993年）などをシェアウェアとしてパソコン通信上で公開しました。

サイトー企画の設立と成功

1993年、斉藤はシェアウェアのサポート業務が多忙になったため、富士通を退職。同僚と2人で故郷の鯖江市に戻り、有限会社サイトー企画を設立し、本格的にシェアウェア開発に乗り出します。その結果、1994年度には1億2000万円、ピーク時の1996年から1998年には年間1億5000万円を超える売り上げを記録するなど、大きな成功を収めました。これらの成功は、個人で開発した高品質なソフトウェアが、多くのユーザーに支持された結果と言えるでしょう。

現在の活動

事業規模を拡大することなく、2022年現在に至るまで、「秀丸エディタ」をはじめとする秀丸シリーズのソフトウェア開発とサポートを継続しています。長年にわたり、個人開発者としてユーザーからの信頼を得て、高品質なソフトウェアを提供し続けています。その姿勢は、多くのソフトウェア開発者にとって模範となるでしょう。

秀丸シリーズについて

「秀丸エディタ」は、テキスト編集機能に特化したソフトウェアであり、プログラマーやライターなど、多くのユーザーに支持されています。高度なカスタマイズ性や便利な機能が充実しており、長年にわたり愛用されています。また、秀丸メールも秀丸エディタ同様に使い勝手が良く、多くのユーザーから支持を得ています。

斉藤秀夫は、日本のパソコンソフトウェア史における重要な人物の一人であり、その業績は多くの開発者やユーザーに影響を与え続けています。

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