新三種混合ワクチン

新三種混合ワクチン（MMRワクチン）とは

新三種混合ワクチン、通称MMRワクチンは、麻疹（はしか）、流行性耳下腺炎（おたふく風邪）、風疹（ふうしん）の三つの病気を予防するための生ワクチンです。このワクチンは、弱毒化されたウイルスが混合されており、3価生ワクチンと呼ばれることもあります。日本ではかつて予防接種が行われていましたが、様々な問題により現在は使用されていません。

日本におけるMMRワクチンの歴史

日本では1988年から1993年にかけてMMRワクチンの接種が実施されていました。しかし、大阪大学の研究により、特定のムンプスワクチンが無菌性髄膜炎の発生率を高めることが判明したため、予防接種は中止されました。1993年4月には、製造企業への立ち入り調査が行われ、許可のない製造方法が使用されていたことが発覚しました。この結果、MMRワクチンの承認は取り消されました。

その後、2006年には、副反応が問題視されていた占部株のムンプスワクチンを除く麻疹・風疹の混合ワクチン（MRワクチン）が接種開始されました。現在、日本国内でMMRワクチンを受ける場合には、特定のトラベルクリニックでの自由診療を通じて行われていますが、その際には日本の医薬品副作用被害救済制度の適用はありません。

海外におけるMMRワクチンの現状

アメリカなどの他の国々では、MMRワクチンが1971年から広く使用されており、現在では改良版のワクチンも登場しています。また、アメリカ食品医薬品局（FDA）は、麻疹・おたふく風邪・風疹に加え、帯状疱疹を対象とした4価ワクチン（MMRV）の接種も認可しています。

自閉症との誤解

1998年、医学雑誌『ランセット』に掲載された論文では、MMRワクチンの接種と自閉症の関連性が示唆され、一時期ワクチン接種が激減する事態が起きました。この影響により、多くの地域で麻疹の発症が増えました。しかし、その後の調査で論文に問題があることが明らかになり、2010年には論文が抹消され、ワクチンと自閉症の関連性は全く否定されました。その後、この論文の影響が長引き、特にイタリアではワクチン接種率が下がった結果、麻疹が3倍に増加する事態が起こりました。このため、未接種者に対して義務教育を受けられないという法律が施行されました。

まとめ

新三種混合ワクチン、すなわちMMRワクチンは、麻疹・おたふく風邪・風疹を予防するための重要な手段です。しかし、日本国内での混乱や誤解が影響して、現在はその使用が停止されています。今後の医療現場において、正確な情報提供が求められることは言うまでもありません。

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