新五箇山温泉

新五箇山温泉

概要

富山県南砺市に位置する新五箇山温泉は、自然豊かな庄川峡沿いに湧き出す温泉地です。温泉旅館は存在せず、日帰り入浴施設のみが営業しているのが特徴です。美しい山々に囲まれた静かな環境で、地元住民や観光客に親しまれています。

泉質と効能

新五箇山温泉の泉質は、カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉です。源泉の温度は42.9℃、pH値は8.6の弱アルカリ性を示し、1キログラムあたり1,401ミリグラムの溶存物質を含んでいます。地下1,331メートルから動力揚水されており、毎分109.0リットルの湯が湧出しています。施設では快適な温度に保つため、加温循環式で利用されています。

この温泉に期待できる効能として、神経痛、関節痛、五十肩、胃腸病、火傷、皮膚病、動脈硬化症、冷え症などが挙げられています。ただし、これらの効能は一般的な適応症であり、すべての方に対して効果を保証するものではありません。

主な施設「ゆ～楽」

新五箇山温泉における中心的な施設は、「南砺市平ふれあい温泉センター ゆ～楽」です。この施設は、1993年に旧平村（現在の南砺市）が大崩島地区で温泉掘削を行った際に発見された、毎分300リットル以上という豊富な湧出量を誇る温泉を利用して建設されました。総事業費は約2億5,000万円が投じられ、1994年秋に着工。翌1995年4月14日に完成式を迎え、4月15日に「平村ふれあい温泉センター ゆ～楽」として営業を開始しました。

建物は祖山ダム湖畔の高台に建てられた鉄骨造りの平屋建てで、延べ床面積は780平方メートルです。館内には、男女別の広々とした大浴場と露天風呂、サウナ、ゆったりと寛げる休憩室、軽食や飲み物を提供する喫茶コーナーなどを備えています。特に、露天風呂や大浴場はダム湖に面して設計されており、眼下に広がる庄川峡の雄大な景色や、五箇山の美しい山並みを眺めながら入浴できるのが大きな魅力です。また、施設には2,200平方メートルの広い駐車場も完備されています。

地域住民や観光客に長年愛されてきた「ゆ～楽」は、設備の改修などが行われ、2022年7月10日にはリニューアルオープンを果たし、より快適な入浴体験を提供しています。

その他の関連施設

当温泉の湯は、「ゆ～楽」のほか、近隣にある高齢者生活福祉センター「つつじ荘」でも利用されています。この「つつじ荘」は、2024年に公開された映画『正体』のロケ地の一つとして使用されたことでも知られています。

周辺の観光スポット

新五箇山温泉の周辺には、ユネスコの世界遺産に登録されている越中五箇山相倉集落があります。独特な合掌造りの家々が点在するこの集落では、日本の古い山村の暮らしや文化に触れることができます。また、国の重要文化財である村上家住宅や、伝統的な五箇山和紙の製造工程を見学したり体験したりできる和紙工芸研究所なども近くにあり、温泉と組み合わせて訪れることで、五箇山の豊かな自然と文化を満喫できます。

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