新十郎捕物帖・快刀乱麻

『新十郎捕物帖・快刀乱麻』は、1973年から1974年にかけて朝日放送で放送された時代劇推理ドラマです。原作は坂口安吾の『安吾捕物帖』で、明治時代中期の東京を舞台に、名探偵・結城新十郎が数々の難事件を解決していく物語です。

あらすじ

物語は、毎回、事件が発生するところから始まります。依頼を受けた探偵役として、まず花廼家因果（はなのやいんが）が登場し、続いて勝海舟が推理を披露しますが、いずれも的外れ。最後に登場する新十郎だけが真犯人を突き止めます。新十郎が登場する際には、ストップモーションとナレーションが入り、彼の過去を語ります。ナレーションは毎回「その背中に大きな入れ墨があると噂する者もいるが、その真偽もまた定かではない」という言葉で締めくくられますが、最終回では「その真偽もまた……もうすぐわかる」と変化します。また、終盤では、勝海舟が自分の推理が外れた原因を泉山虎之介のせいにして叱りつけるのがお約束となっていました。

主な登場人物

結城新十郎（演：若林豪）
主人公で、明晰な頭脳と推理力を持つ名探偵。普段は理髪店に居候しており、巡査の古田が事件の依頼に来ても無関心を装いますが、困っている人を見ると放っておけず、事件解決に乗り出します。自由民権運動の闘士でもあり、格闘技にも長けています。最終回では、背中の入れ墨を露わにし、悪党を刺殺した後、姿を消します。
荒牧英太郎（演：尾藤イサオ）
新十郎の友人で、自由民権運動の仲間。新十郎と共に事件の捜査に協力しますが、警察官の古田とは対立することも多くあります。最終回で新十郎と共に姿を消します。
花廼家因果（演：植木等）
元薩摩藩士で、推理小説家兼探偵。しかし、推理はいつも外れるため、「迷探偵」と呼ばれています。西郷隆盛を敬愛しており、お調子者ですが、正義感も持ち合わせています。
泉山虎之介（演：花紀京）
元幕臣で、勝海舟の子分。事件が起こるたびに海舟に報告しますが、情報が不十分なため、海舟の推理がいつも外れる原因を作っています。毎回、海舟に叱られています。
古田鹿蔵（演：河原崎長一郎）
警視庁の巡査。新十郎の自由民権運動を快く思っていませんが、事件が起こると新十郎に頼ることが多く、内心では友情を感じています。最終回では、新十郎と英太郎を逃がす手助けをします。
おそよ（演：野川由美子）
理髪店の女店主で、新十郎が居候しています。美しい女性で、虎之介や因果、海舟から思いを寄せられていますが、密かに新十郎に恋心を抱いています。
勝海舟（演：池部良）
実在の人物で、「瞑探偵」として、虎之介から事件の報告を受け推理をしますが、いつも外れます。新十郎とは対立しながらも、シンパシーを感じており、最終回で新十郎を逃がします。

スタッフ

原作：坂口安吾『安吾捕物帖』
プロデューサー：山内久司
脚本：佐々木守、林秀彦、宮川一郎、松田司 他
音楽：都倉俊一
タイトル演出：横尾忠則
擬斗：湯浅謙太郎
演出：西村大介、杉本宏、伊藤竜平 他
ナレーション：佐藤慶
制作：朝日放送

主題歌

「少女ひとり」
作詞：佐々木勉、作曲：都倉俊一、歌：内田喜郎

各話タイトル

（省略）

関連作品

UN-GO - 本作と同じ原典を基にしたアニメ作品。
* 明治開化 新十郎探偵帖 - 本作と同じく『明治開化 安吾捕物帖』を原作とするテレビドラマ。

『新十郎捕物帖・快刀乱麻』は、個性的な登場人物と、当時の世相を反映したストーリー展開で、時代劇ファンだけでなく、推理ドラマファンも楽しめる作品です。

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