新原千恵

新原 千恵

新原 千恵（にいはら ちえ）氏は、1986年5月14日生まれ、沖縄県那覇市出身の元女子プロ野球選手です。ポジションは外野手、右投げ左打ちで、「ちえ」の愛称でも知られていました。

幼少期から学生時代

新原氏が野球と本格的に向き合い始めたのは小学校3年生の時です。中学校では一度バレーボール部に入部しますが、野球への強い思いから再び野球部に戻ります。女子野球界で「女松坂」と称されていた小林千紘選手に憧れ、彼女が卒業した女子野球の名門校、神村学園高等部への進学を決意。高校時代には、2年次と3年次に立て続けに全国制覇を達成するなど、チームの主力として活躍しました。高校卒業後は中京女子大学（現在の至学館大学）に進学しましたが、後に尚美学園大学へ進路を変更。大学在学中には、関東の大学・社会人女子野球リーグであるヴィーナスリーグにおいて、2008年春季リーグと2009年秋季リーグで、それぞれ外野手部門のベストナインに選ばれるなど、アマチュア時代からその実力を高く評価されていました。

プロ野球選手としてのキャリア

2009年、日本女子プロ野球機構が実施した合同トライアウトを受験し、合格を果たします。同年12月に行われたドラフト会議で、新設された兵庫スイングスマイリーズへの入団が決定しました。プロとして初めてのシーズンとなった2010年は、主に2番打者、中堅手としてチームを牽引。全試合に出場し、打率.281、リーグ3位タイとなる16盗塁を記録するなど、走攻守にわたる活躍を見せました。特にバント技術に優れ、この年の最多犠打のタイトルを獲得しています。続くプロ2年目の2011年シーズンは、チーム体制の変更などもあり、主に9番・左翼手としてプレー。しかし、守備中に果敢なダイビングキャッチを試みた際に怪我を負ってしまい、この影響で出場機会が減少し、成績も前年の水準を下回ることになりました。リーグ再編を経て、2013年シーズンは兵庫スイングスマイリーズの後継球団であるサウス・ディオーネに所属。同年10月、本人の口から現役引退が発表され、4年間のプロ野球選手生活に終止符を打ちました。

指導者としての歩み

現役選手としてのキャリアを終えた後も、新原氏は女子野球界への貢献を続けます。引退から間もない2014年には、ウエスト・フローラ（現在の京都フローラ）のコーチに就任し、指導者の道をスタートさせました。翌2015年からは同チームの監督に昇格し、2017年までの3シーズンにわたりチームの指揮を執ります。2018年シーズンはヘッドコーチとして監督を支え、2019年シーズンからは、将来有望な選手を育成する育成チーム、レイアの監督に就任しました。2019年9月から10月にかけては、育成選手の期間限定派遣に伴い、愛知ディオーネの監督代行を務めるなど、多忙な日々を送ります。そして、2019年11月に開催された女子野球界の日本一決定戦「第9回女子野球ジャパンカップ」では、埼玉アストライアの監督として采配を振り、チームを見事優勝に導きました。これは、選手時代、指導者時代を通じての大きな功績の一つです。

主なタイトルと背番号

タイトル
最多犠打：1回（2010年）

背番号
選手時代：8 （2010年 - 2013年）
* 指導者時代：51 （2014年、2018年）、50 （2015年 - 2017年、2019年 - 2020年）

新原千恵氏は、選手として確かな実績を残し、現役引退後も指導者として多くのチームを率い、若手選手の育成やチームの勝利に貢献してきました。選手としても指導者としても女子野球界に大きな足跡を残した人物です。

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