新喜楽

新喜楽：歴史と伝統が息づく料亭

新喜楽は、東京都中央区築地に位置する老舗料亭です。その名は「日本三大料亭」の一つとして、広く知られています。

歴史

新喜楽の歴史は、明治8年（1875年）に伊藤きんが日本橋茅場町で「喜楽」として創業したことから始まります。明治31年（1898年）には、大隈重信邸の跡地であった現在の場所に移転し、屋号を「新喜楽」と改めました。

大正6年（1917年）には、木村さくが2代目女将となり、その10年後の関東大震災で店舗は焼失。その後再建されましたが、昭和15年（1940年）以降、建築家・吉田五十八が設計・改修を重ね、現在の店舗の姿が形作られました。

木村さくが2代目女将となって以来、現在に至るまで、木村の親族がその肩書きを引き継いでいます。

特徴

新喜楽の建物は、銅葺き木造2階建ての新興数寄屋建築です。72畳の大広間を有し、庭には伊藤博文から贈られた漢詩が刻まれた石碑が置かれています。

「支店を出さない」「宣伝をしない」「毎日が開店日」「無言のおもてなし」という４つの初志を掲げ、創業以来変わらぬ姿勢を貫いています。また、その秘密保持の徹底ぶりは広く知られており、政財界人や文化人の利用が多いことでも有名です。

著名人の利用

新喜楽は、数多くの著名人に愛されてきました。

伊藤博文：初代女将・伊藤きんと姓が同じであったことから、屋号が「喜楽」だった頃から贔屓にしていました。伊藤博文が韓国に遠征した際には、伊藤きんが慰問に訪れ、その際に漢詩を贈られたというエピソードが残っています。その漢詩は、庭に置かれた石碑に刻まれています。
五島慶太：東急グループの創始者である五島慶太は、伊豆の観光開発のため、伊東下田電気鉄道（現・伊豆急行）による鉄道敷設免許を申請。西武鉄道系列との競願となった際には、新喜楽に陣取り、公聴会の報告を受けながら指示を出していました。
佐藤栄作：ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作は、受賞翌年に新喜楽で政財界人との懇談会を開きました。しかしその席で倒れ、数日後に亡くなりました。

芥川賞・直木賞選考会場

新喜楽は、芥川賞・直木賞の両選考会の会場としても知られています。昭和30年（1955年）頃から会場として使用されるようになり、昭和36年（1961年）以降は、全ての選考会が新喜楽で開催されています。口の堅さに定評があることや、文藝春秋との関係などが、その理由として挙げられています。

交通アクセス

所在地：〒104-0045 東京都中央区築地4-6-7
地下鉄
築地市場駅（大江戸線）：A1番出口より徒歩約3～4分
築地駅（日比谷線）：2番出口より徒歩約3～6分
東銀座駅（浅草線・日比谷線）：6番出口より徒歩約5～6分
新富町駅（有楽町線）：4番出口より徒歩約9分
都営バス
「築地3丁目」停留所（業10系統）：徒歩約2分
「築地駅」停留所（錦11系統）：徒歩約4分
* 「国立がんセンター前」停留所（市01系統）：徒歩約4分

周辺には、築地本願寺、国立がん研究センター、築地市場などがあります。

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