新宿グリーンタワービル

新宿グリーンタワービル：緑に包まれた複合施設

新宿グリーンタワービルは、東京都新宿区西新宿に位置する超高層ビルであり、その周辺地域を含めた再開発によって誕生しました。この再開発は、老朽化した木造住宅や寺院、ガソリンスタンドなどが混在していた地域を、近代的な複合施設へと生まれ変わらせることを目的としていました。再開発の中心となったのは、「西新宿浄風寺周辺地区市街地再開発組合」であり、9年の歳月をかけて1986年4月に竣工しました。

特徴的な外観と配置

この複合施設の特徴は、その外観と配置にあります。まず、建物の外装は、それまでタブーとされていた緑色を基調としています。これは、隣接する新宿中央公園の緑を意識したもので、太陽光の当たり具合によって外壁や窓ガラスの色味が微妙に変化します。この色彩設計は、「公共の色彩賞」を受賞するほど高く評価されています。

施設全体の配置は、中央にオープンスペース（新宿グリーンプラザ）を設け、その広場を囲むように、地上28階建てのグリーンタワービル、3階建ての浄風寺、地権者の住戸がある8階建ての西新宿グリーンハイツ、そして2階建てのガソリンスタンドの4つの建物が配置されています。この配置により、開放感と機能性を両立させています。

グリーンタワービルの詳細

グリーンタワービルは、1階にスターバックスコーヒー、2階に飲食店が入居し、3階から27階がオフィスフロアとなっています。また、屋上には緊急時に使用するヘリポートが設置されており、これは民間のビルとしては初の施設でした。27階の北側通路内には屋上ヘリポートへの階段があり、緊急時以外は立ち入りが禁止されています。このヘリポートは、黄色いプレートに赤い文字で記されており、非常用エレベーターの裏側に位置しています。

このビルは、新宿界隈では「グリーンビル」や「グリーンタワー」などとも呼ばれていますが、正式名称は新宿グリーンタワービルです。2013年には、日本建築家協会より「JIA25年賞」を受賞しており、建築物としての価値も認められています。

周辺環境とアクセス

新宿グリーンタワービルは、「新宿中央公園北交差点」の北西角に位置し、東側には東京都道新宿副都心十二号線（公園通り）、南側には東京都道新宿副都心五号線（北通り）が通っています。敷地の北側から西側にかけては斜面となっており、ビル裏側には階段やスロープが多用されています。西側には再開発地区の新宿セントラルパークシティがあります。

最寄りの駅としては、新宿駅から徒歩10分、西新宿駅および都庁前駅から徒歩5分と、交通の便も優れています。また、周辺には新宿住友ビル停留所や十二社池の下停留所など、路線バスの停留所もあります。

その他の施設

• - 西新宿グリーンハイツ: 敷地の北西にある8階建ての集合住宅です。
• - 浄風寺: 本門法華宗の寺院で、広場から直接入る2階に本堂、3階に納骨堂、1階に事務室、地階に会議室が設けられています。屋根は銅板による抜葺きで、緑青によって緑色になっています。
• - ガソリンスタンド: 敷地の北東に「コスモ石油 新宿中央サービスステーション」があります。店舗はコスモ石油の意匠ですが、防火壁の裏は緑色で統一されています。
• - 新宿グリーンプラザ: 4つの建物の間にある広場で、公開空地として利用されています。

施設構成

グリーンタワービルの内部構成は以下の通りです。

• - 28階・屋上: 緊急ヘリポート（緊急時以外立入禁止）
• - 3階 - 27階: 賃貸オフィス（エレベーター乗継階は15階）
• - 2階: 店舗（診療所、飲食店）
• - 1階: メインロビー、総合防災センター、店舗（飲食店）
• - 南側低層部: 店舗（自動車販売店、飲食店）
• - 地下1階: 地下駐車場入口・車寄せ・オフィス
• - 地下3階 - 地下2階: 地下駐車場
• - 地下4階: 機械室（施設関係者以外立入禁止）

エレベーターは、低層用が日立製、高層用が三菱製、非常用が東芝製、駐車場用がオーチス製となっており、2016年から2018年にかけてリニューアル工事が行われました。オフィス内15階には乗継階があります。

入居企業と店舗

主な入居企業としては、スミセイ情報システム、アジア航測株式会社、東京ビジネスサービス、株式会社アカセ、株式会社シネマトゥデイなどが挙げられます。また、スターバックスコーヒー、MINI新宿、デニーズなどの店舗も入居しています。

新宿グリーンタワービルは、その独創的なデザインと複合的な機能によって、新宿副都心において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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