新山古墳

新山古墳の概要

新山古墳（しんやまこふん）は、奈良県北葛城郡広陵町に位置する古墳です。この古墳は、形状が前方後方墳であり、馬見古墳群の一部として成り立っています。実際の被葬者については不明ですが、宮内庁によって「大塚陵墓参考地」として登録されており、第25代武烈天皇が候補者とされています。

形状と構造

古墳は奈良県の西部にある馬見古墳群に属し、群中でも初期に築造されました。墳丘の前方部は南向きで、全長は約126メートル、後方部の幅は67メートル、高さは約10メートルです。一方、前方部の幅は約66メートルです。1885年に所有者が植樹のために掘り起こした際に、後方部に存在する竪穴式石室を発見しました。この石室からは、銅鏡をはじめとする多数の副葬品が出土しました。特に、宮内庁によってこの古墳は武烈天皇の大塚陵墓参考地として位置づけられ、管理されています。

出土した副葬品

1885年の発掘では、34面の銅鏡が出土しました。その中には直弧文鏡が含まれており、この文様は3世紀から4世紀にかけて見られるもので、直線と弧線の組み合わせから形成された非常に難解な作図法が特徴です。これらの文様は、古墳の蓋や楯などの埴輪でも表現されています。また、出土した銅鏡の中には変型方格規矩神鏡があり、これは紐を取り囲む方形の区画の中に十二支の漢字が文様化されています。文字としては読解ができない状態ですが、装飾的な意図が感じられます。

また、出土した銅鏡には9枚の三角縁神獣鏡も含まれていました。これらの古代の装飾品は、三葉文を透かし彫りした帯金具や盤龍文系、龍・鳳凰文系、双龍文系など、さまざまなスタイルが見られます。特に、河北省定県から出土した2世紀の帯金具は最も古いものであり、これらは江南から伝わったものである可能性があります。年代的には300年頃の製作が推定されています。

おわりに

新山古墳は、古代の日本の歴史を知る上で重要な遺跡であり、出土品はその頃の文化や技術を伺い知ることができます。現在では観光スポットとしても注目されており、広陵町のホームページでは古墳に関する情報が提供されています。歴史愛好家や観光客が訪れることで、さらなる研究や理解の深化が期待されています。

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