新川明

新川明（あらかわ あきら、1931年 - ）は、沖縄県出身の研究家、思想家、詩人、ジャーナリストです。

沖縄の歴史と文化、特に琉球独立運動に関する研究で知られています。彼は、琉球大学文理学部国文科を中退後、沖縄タイムスに入社し、八重山支局長、『沖縄大百科事典』刊行事務局長、取締役編集局長、社長、会長を歴任しました。

ジャーナリストとしての活動と並行して、『新沖縄文学』の編集長を務め、社会主義の立場から反復帰論や琉球独立論を提唱しました。その思想は、沖縄の自己決定権を強く主張するものであり、沖縄の独立運動に大きな影響を与えました。また、琉球民族独立総合研究学会の発起人の一人でもあります。

1978年には、『新南島風土記』で毎日出版文化賞を受賞しました。これは、沖縄の風土と文化を深く掘り下げた作品であり、彼の沖縄への深い愛情と知識が示されています。著書には、『反国家の兇区』、『異族と天皇の国家』、『沖縄・統合と反逆』、『琉球処分以後』などがあり、沖縄の歴史と文化、独立運動に関する幅広いテーマを扱っています。

特に、『琉球処分以後』は、琉球王国の解体と沖縄県の成立という、沖縄にとって重要な歴史的転換期を詳細に分析した作品であり、多くの人々に読まれています。これらの著作は、沖縄の歴史を理解する上で不可欠な資料となっています。

共著としては、大田昌秀、稲嶺惠一、新崎盛暉らと共に、『沖縄の自立と日本』を執筆し、沖縄の自己決定権を改めて訴えました。また、詩画集や絵本などの分野でも活動し、沖縄の文化を広く伝えようとしました。これらの活動を通じて、新川明は沖縄の文化と歴史、独立運動に関する重要な貢献を果たしました。

新川明は、沖縄のアイデンティティを深く追求し、その独自の視点から沖縄の未来を考え続けています。彼の活動は、沖縄の人々だけでなく、沖縄に関心を持つ全ての人々にとって、重要な示唆を与え続けています。

著書リスト：
『反国家の兇区』現代評論社、1971年
『反国家の兇区 : 沖縄・自立への視点』現代評論社、1996年
『異族と天皇の国家 : 沖縄民衆史への試み』二月社、1973年
『新南島風土記』大和書房、1978年
『沖縄・統合と反逆』筑摩書房、2000年
『琉球処分以後 上』朝日新聞社、1981年
『琉球処分以後 下』朝日新聞社、1981年

共著：
『沖縄の自立と日本 : 「復帰」40年の問いかけ』岩波書店、2013年
『日本が見える : 詩画集』築地書館、1983年
『清ら布―沖縄の風を織る光を染める』日本放送出版協会、2002年
『南風よ吹け : オヤケ・アカハチ物語』琉球新報社、2003年
『りゅう子の白い旗―沖縄いくさものがたり』築地書館、1985年

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