新庄城 (越中国)

新庄城の歴史と概要

新庄城（しんじょうじょう）は、現在の富山市新庄町にあった日本の城で、越中の重要な交通の要衝を占めていました。この城は富山市街地の東約4kmの位置にあたる新庄小学校があった場所に築かれ、北陸街道に沿って富山と水橋を結ぶ中間地点に位置しています。北側には東岩瀬、東側には大岩、南側には上滝と笹津という主要な道が分岐し、非常に戦略的な場所にあったことがわかります。

概要

新庄城跡は、常願寺川中流の左岸にあり、標高は13～14メートルの微高地に立地しています。戦国時代に築かれた平城として知られ、越後の上杉氏が越中を支配するための拠点となっていました。江戸時代の記録では、本丸は東西が75～78間（約137～142メートル）、南北が52～70間（約95～127メートル）、二の丸はおおよそ30間（約55メートル）の四方を有し、堀の幅は6間（約11メートル）であったとされています。

歴史

新庄城の歴史は、1520年の永正年間にさかのぼります。この年、上杉方の武将である長尾為景が、父の仇である越中守護代神保慶宗らと戦った際に、この城が陣城として使用されました。以降、城は数回の攻防を経て、天文年間に三輪氏によって築城され、その後は神保や椎名といった他の勢力との争いの日々が続きました。

1550年、三輪飛弾守が没落すると、椎名方に所属する田轡備後守が新庄城の城主となりましたが、次第に城は上杉氏の手に渡ります。1571年には上杉氏によって城が攻められ、井上氏の守る城は落城しました。1572年には上杉謙信が自身の軍を率いて新庄城に陣取り、富山城を攻撃し、城を陥落させるなどの軍事活動がありました。

1580年には、織田方の神保長住が新庄城を攻め、戦いの拠点として果たし、以降もさまざまな合戦が繰り広げられました。1583年には城が落城し、豊臣軍が越中の支配を確立することになります。

その後、1615年の一国一城令により新庄城は廃城となり、前田利常が城跡に陣屋を設置しました。時が経つにつれ、城跡には新庄尋常高等小学校が1895年に建設され、少なからぬ遺構が学校の造成や拡張の際に消失したと考えられています。

発掘調査

2013年には、新庄小学校の体育館改築工事に伴い、発掘調査が行われました。この調査により、校舎や体育館の下に城跡が確認され、さらに飛鳥・白鳳時代や平安時代の集落跡、室町時代の館跡も見つかるなど、古くからこの地に人々が住んでいたことが証明されました。

遺物

発掘調査によって得られた遺物は、新庄城のみならず、地域の歴史を知る上でも重要な資料となります。これらの遺物から、当時の人々の生活や文化を感じることができるでしょう。

新庄城は、越中の歴史を語る重要な遺産であり、訪れる人々に多くの歴史的な教訓を与えてくれます。

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