神保長住

神保長住について

神保長住（じんぼう ながずみ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した著名な武将です。彼は越中国の戦国大名、神保長職の嫡子とされ、同族には神保氏張が存在しました。長住の兄弟と考えられていた長城、長国とは、実は長住と同一人物であるという説が有力です。

生涯の概要

長住は若い頃からその武名を馳せており、父の長職が担っていた政策を引き継ぐ形で、多くの戦略的同盟を形成しました。特に、彼は甲斐の武田氏や加賀の一向一揆と連携を模索し、上杉氏との関係を調整しようとしました。しかし、永禄11年（1568年）の頃には、これが父や重臣との対立を生む原因となったとされています。上杉謙信の介入により、反上杉派であった長住は一時的に鎮圧されましたが、久保尚文によれば、この対立の中心には長住ではなく、養子である氏張がいたと言われています。

元亀2年末、長職は「宗昌」と名乗り、長城と共に禁制を出し、家督を長城に譲ることが明らかになりました。この長城が後の神保長住であると解釈されています。長職の死後、長城は次第に反上杉派としての立場を強めていきました。ただし、上杉派の家臣たち、特に小島職鎮や神保覚広らは独自の行動をとり、神保家内部に亀裂が生じることとなります。

元亀3年には、加賀の一向一揆が越中に侵攻してきます。この混乱の中で、長城は長国と改名し、地域の権力争いが一層激化しました。天正4年9月、上杉謙信によって増山城が攻略され、長国は無職となります。彼はその後、京都の清水寺に寄進し、自身の帰国を願いました。この時期には、織田信長にもその存在が認知され、信長の扶持を受けるようになったと考えられています。

天正6年（1578年）、上杉謙信が亡くなると、長住として改名し、信長から軍を与えられ越中への侵攻を開始しました。この際、彼は地元の国人たちを味方にし、増山城を制圧し、越中の西南部を掌握しました。

転機とその後

さらに、斎藤利治をはじめとする援軍を得て、月岡野の戦いで圧倒的勝利を収めますが、天正9年（1581年）に佐々成政が越中に入国すると、長住はその指揮下に置かれることとなりました。天正10年（1582年）に入ると、上杉方から神保昌国らが太田領を委任され、長住は反抗的な行動を取りました。この結果、旧臣たちに急襲され、幽閉されるという悲劇的な運命を辿りました。織田軍による助けはあったものの、この事件が長住の失脚につながり、彼は最終的には追放されました。

その後、長住にゆかりのある国衆である菊池右衛門入道が、長住の再起を図るために柴田勝家に仲介を依頼するも、叶うことはありませんでした。長住のその後の消息は未だ明らかではなく、彼の生涯は戦国時代の波乱の中で幕を閉じました。

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