新日本百景

新日本百景とは、日本各地に点在する優れた景勝地を、改めて選定しようという試みによって選ばれた100の景勝地のことを指します。1927年（昭和2年）に選定された日本百景を受け、新たな日本の魅力を発掘しようとするもので、複数の選定企画が存在します。

最も広く知られているのは、1958年（昭和33年）に週刊読売が主催した一般公募による選定です。読者からの投票を募り、その結果に基づいて100ヶ所が選ばれました。この選定は、当時の日本の風景に対する人々の関心の高さを反映しており、観光振興にも貢献しました。

その他にも、1938年から1941年にかけて日本版画協会が選定した新日本百景があります。こちらは、会員が版画作品を制作することを目的としており、第1期として50景が選定されました。しかし、そのうち39点が刊行された時点で、この企画は中断しています。

これらの選定企画とは別に、矢作俊彦は『新ニッポン百景』と題した週刊ポストの連載において、現代日本社会を象徴する風景を取り上げ、独自の視点から批評を展開しました。これは、従来の景勝地という概念にとらわれず、社会現象としての風景に焦点を当てた試みと言えるでしょう。

以下は、週刊読売が選定した新日本百景の一例です。

函館山（北海道）
官庁街通り（青森県）
高田松原（岩手県）
偕楽園（茨城県）
仁右衛門島（千葉県）
鴨川松島（千葉県）
間瀬湖（埼玉県）
別子ライン（愛媛県）

これらの例からもわかるように、新日本百景には、自然の美しさを誇る場所から、人々の生活が息づく場所まで、多様な風景が含まれています。それは、日本の豊かな自然と文化を象徴していると言えるでしょう。

関連する選定企画としては、以下のようなものがあります。

日本新八景・日本二十五勝・日本百景（大阪毎日新聞・東京日日新聞主催、1927年選定）
新日本観光地百選（毎日新聞主催、1950年選定）
新日本旅行地100選（雑誌『旅』、1966年選定）
新日本観光地100選（読売新聞主催、1987年選定）

これらの企画も、それぞれの時代における日本の魅力を再発見し、観光振興に貢献することを目的としていました。新日本百景は、これらの流れを受け継ぎ、日本の風景の多様性と魅力を再認識するきっかけとなっています。

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