新栄野駅

新栄野駅：秘境の駅、その歴史と構造

新栄野駅は、北海道紋別郡遠軽町栄野にあった、北海道旅客鉄道（JR北海道）石北本線の駅です。1946年（昭和21年）12月1日、地元住民の強い要望を受け、野上仮乗降場として開業しました。しかし、開業当初から利用者は少なく、多くの列車は通過扱いでした。

その後、1961年（昭和36年）4月1日には所属路線が石北本線に改称され、1967年（昭和42年）11月15日には新栄野仮乗降場と改名されました。さらに1987年（昭和62年）4月1日、国鉄分割民営化に伴いJR北海道に継承され、駅に昇格しました。1990年（平成2年）3月10日には営業キロが設定されましたが、利用者の少なさは改善されず、2006年（昭和18年）3月18日、ついに廃駅となりました。

駅名の由来は、地元自治会の名称に由来します。開業当初は「野上」でしたが、その後「野上」と「新野上」に分かれ、「栄野」へと改称されたことから、駅名もそれに合わせて変更されたと言われています。

新栄野駅は、典型的な秘境駅でした。駅舎はなく、荒廃した待合室だけが残り、板張りの単式ホーム1面1線からなる簡素な構造でした。下り（遠軽方面）1本、上り（白滝方面）3本（そのうち1本は旭川行き）しか停車しない、まさに秘境と言える状況でした。

駅周辺は山と川に囲まれた、農家が点在する静かな地域でした。アクセスは、北海道道711号社名淵瀬戸瀬停車場線と、遠軽町営バス「栄野会館前」停留所が最寄りの交通手段でした。

新栄野駅の隣駅は、瀬戸瀬駅と遠軽駅でした。その歴史と、利用者の少なさ、そして秘境駅としての魅力が、多くの鉄道ファンを惹きつけていたと言えるでしょう。廃駅となってからも、その存在は、人々の記憶の中にしっかりと刻まれています。

年表

1946年（昭和21年）12月1日：野上仮乗降場として開業（『遠軽町史』では1947年1月開業と記載）
1961年（昭和36年）4月1日：所属路線が石北本線に改称
1967年（昭和42年）11月15日：新栄野仮乗降場と改称（『遠軽町史』では12月改称と記載）
1987年（昭和62年）4月1日：JR北海道に継承、駅に昇格
1990年（平成2年）3月10日：営業キロ設定
2006年（平成18年）3月18日：廃止

駅構造

単式ホーム1面1線
駅舎なし、荒れた待合室のみ
無人駅

駅周辺

山と川に囲まれた地域
農家が点在
北海道道711号社名淵瀬戸瀬停車場線
* 遠軽町営バス「栄野会館前」停留所

新栄野駅は、過疎化が進む地域における鉄道の利用状況を象徴する存在と言えるでしょう。その短いながらも、地域住民の生活に寄り添ってきた歴史は、日本の地方鉄道の歩みを考える上で、重要な事例となっています。

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