新浪博士

新浪博（にいなみ ひろし）医師は、1962年神奈川県横浜市に生まれました。東京女子医科大学病院の副院長兼心臓血管外科主任教授を務める、著名な心臓血管外科医です。また、一般社団法人メディカル・ニューウェイブの理事としても活動しています。実兄はサントリーホールディングス株式会社代表取締役社長の新浪剛史氏です。

生い立ちと医学への目覚め

小学生時代は内向的な性格でプラモデル製作に熱中していました。手先の器用さから、親に歯科医を勧められましたが、中学時代には医者を目指すようになります。小学生の頃には剣道を習い始めましたが、スポーツが得意な兄とは対照的でした。しかし、学業では優秀な成績を収めていました。

高校時代と医師への志

神奈川県立横浜翠嵐高等学校に進学。自由な校風の中、グラムロックの影響を受けたファッションを好むグループに属していました。テレビドラマ「白い巨塔」に影響を受け、外科医、特に大学教授への憧れを抱き、本格的に医学の道を志すようになりました。

大学時代と海外留学

1年間の浪人生活を経て、群馬大学医学部に入学。教養科目や剣道部の活動に励む一方で、解剖学に興味を持ち、石川律教授と親交を深めます。大学4年生の夏には、兄の留学に同行し、スタンフォード大学で解剖学の研究者から知識を得ました。剣道は大学卒業まで続け、三段を取得しました。

大学院から海外での研鑽

1987年、東京女子医科大学大学院に進学し、同大学附属日本心臓血圧研究所外科に入局。1991年に博士課程を修了後、心臓血管外科の助手となります。基礎医学の限界を感じ、心臓血管外科か脳神経外科への専攻を考え始めた頃、タイム誌の補助人工心臓の記事に興味を持ち、ウェイン州立大学に留学。帰国後、研究成果は認められたものの、臨床機会を求めてメルボルンのアルフレッド病院に留学し、心臓移植を経験。さらにシドニーのロイヤルノースショア病院で外科医ドン・ロスの指導を受け、冠動脈大動脈バイパス移植術の経験を積みました。シドニーでは、年間200件以上の手術を行うことの重要性を学び、自身の信念の礎としました。

日本での活躍

1998年に帰国後、東京女子医科大学附属第二病院心臓血管外科助教授に就任。2004年には順天堂大学医学部心臓血管外科に移籍し、天野篤医師から多くの手術経験を積むように勧められます。その後、埼玉医科大学病院心臓血管外科教授を経て、埼玉医科大学国際医療センター心臓血管外科に異動。地域医療への貢献と丁寧な手術で信頼を築き、2015年には心臓手術件数で日本一の病院に貢献しました。2016年からはメディカル・ニューウェイブの活動で、ミャンマー、タイ、ラオスなどで医療技術指導や臨床活動を行っています。

現在

2017年、東京女子医科大学に戻り、後に同病院の副院長に就任。2022年には、働き方改革に関する質問書を大学理事長などに提出するなど、医療現場の改善にも積極的に取り組んでいます。

メディア出演

新浪医師は、数々のテレビ番組に出演し、その卓越した技術や医療に対する情熱が紹介されています。情熱大陸、サタデープラス、ジョブチューンなど、多くの番組で取り上げられています。

著書と監修

新浪医師は、「数こそ質なり」という著書を出版し、自身の経験と哲学を語っています。また、「心臓血管外科の名医が教える 切れない! 詰まらない! 血管ほぐし」の監修も務めています。

新浪博医師は、その高い技術と国際的な視野で、日本の医療を牽引する存在として、これからも活躍が期待されます。

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